片寄涼太&中村ゆりかが『波よ聞いてくれ』の“スパイス”に VOYAGERの複雑な人間関係

 金曜ナイトドラマ『波よ聞いてくれ』(テレビ朝日系)で、小芝風花が演じる主人公・鼓田ミナレのバイト先であるスープカレー店「VOYAGER」で働く中原忠也(片寄涼太)と城華マキエ(中村ゆりか)。バイきんぐの西村瑞樹が演じる宝田嘉樹が店長のVOYAGERで、主にキッチンを担当する中原はミナレに好意を寄せているが、困っている人を放っておけない性格から、兄に軟禁されていたマキエを自宅に住まわせている。そんな優しい中原が好きなマキエ。ミナレ、中原、マキエは、ちょっとややこしい三角関係のような状態だ。

 中原は一途にミナレを想い続けるあまり、ミナレが関わるトラブルに次々と巻き込まれている。さらに、マキエにも振り回されるようになる姿が、観ていると思わずほほ笑ましくなる。マキエの自分への想いにちっとも気づかない鈍感でもあるが、とても人が好い中原を演じる片寄は、この役にピッタリの印象だ。

 ダンス&ボーカルグループ、GENERATIONS from EXILE TRIBEのメンバーである片寄は、アーティスト活動と並行して、俳優としても活躍している。2014年にEXILE AKIRA主演のドラマ『GTO』(カンテレ・フジテレビ系)第2期で役者デビューを果たした片寄は、複雑な家庭で育ち、不良グループとつるむこともあったバスケ部員の桐谷優役を好演した。この第2期には小芝も出演しており、当時を知っていると、『波よ聞いてくれ』での2人の共演は非常に感慨深い。

 映画化もされた2017年のドラマ『兄に愛されすぎて困ってます』(日本テレビ系)で、後に結婚する土屋太鳳と共演した片寄は、橘はるか役が評判を呼び、そのキュートな魅力は2018年からの『PRINCE OF LEGEND』シリーズ(日本テレビ系)でも発揮された。筆者は、片寄が演じる“セレブ王子”朱雀奏のピアノの弾き語りに大いに引き付けられ、愛らしいキャラクターは片寄にマッチすると実感したので、『波よ聞いてくれ』の中原役も見る度に笑顔にならずにいられない。

 2020年の『病室で念仏を唱えないでください』(TBS系)では、これまでの学生役と違い、救命救急医療の研修医を熱演した片寄。その後も演技の幅を広げ続け、2022年の『運命警察』(テレビ東京系)では江藤萌生とW主演を務めた。映画でも『午前0時、キスしに来てよ』(2019年)で、橋本環奈とW主演を務めた片寄は、本作では人気アイドルグループのメンバーに扮しており、イケメン役が最高に似合っていたのが忘れられない。

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