松井玲奈、『どうする家康』お万の人生を感じて 「そうせざるを得なかった背景がある」

お万は自分の足でしっかり立ち上がっていく女性

――お万は松井さんにとってどのような役でしたか?

松井:お万という役は一筋縄ではいかないと思ったので、どういうことを伝えたいのかを丁寧に考えながら向き合っていきました。一歩間違えたら嫌われてしまいそうな役柄だなとも思って、最初はどう演じていくべきなんだろうかと悩みました。でも、あの時代に彼女が生きていくために選択したことは、賢くもありながらそうせざるを得なかった背景があるんだと思って。そうしてお万に思いを馳せるうちに、私もこれまでの人生を振り返ると、そういう選択はあったなと思ったんです。自分の目標のために一つひとつ積み重ねていく、そこにたどり着くためにはどうしたらいいのか。彼女なりにいろんなことを考えながら、やっと巡ってきたチャンスに向かって一生懸命手を伸ばしていたのが、今回描かれているお万の人生の一部なんだろうなと思ったので、観ている方にそこがしっかり伝わるように演じたいと思いました。

――松井さんの中で、こういうお万を演じようという演技プランはあったのでしょうか?

松井:瀬名(有村架純)にお万が意見をする場面で、2人の上下関係が分かりやすいように、あまり目を見ないお芝居をしていたんですけど、監督からは「しっかり目を見て、もう一回やってほしい」と。そうすることでお万が持っている意思の強さだったり、何を一番伝えたいのかが明確になった感覚がありました。それはお芝居をしていく中での大きな変化で、その変わった部分が彼女の芯の強さとして表れていたらいいなと思っています。

――劇中では、お万が女性の生き方について熱く喋るシーンもあります。

松井:お万が今回したことは、ある意味裏切りのように捉えられるかもしれないですが、瀬名のことを信頼しているし、尊敬しているからこそ、その大きな一手を打つことができたのかなとも思っていて。この作品には自分の思いを真っ直ぐに伝えることができる信念を持った女性が揃っていて、その中でお万も自分の意思を持って、自分の足でしっかり立ち上がっていく女性の1人だと思っています。

■放送情報
『どうする家康』
NHK総合にて、毎週日曜20:00~放送
BSプレミアム、BS4Kにて、毎週日曜18:00~放送
主演:松本潤
脚本:古沢良太
制作統括:磯智明
演出統括:加藤拓
音楽:稲本響
写真提供=NHK

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