『らんまん』神木隆之介、30歳の誕生日と重なる新生活 牡丹の花に寄せた浜辺美波の決意

『らんまん』神木隆之介、誕生日と重なる新章

 『らんまん』(NHK総合)第35話では、万太郎(神木隆之介)の東大植物学教室での日々が始まった。

 田邊(要潤)の植物学教室に出入りを許された万太郎は、スーツに身を包んで出仕する。客分である万太郎に割り当てられた仕事はないが、忙しい学生たちに代わって標本作りを手伝うことになった。

 植物図鑑を使いこなし、初めて見る植物を的確に同定する万太郎に、学生の波多野(前原滉)と藤丸(前原瑞樹)は「ものすごく便利な人が来ましたね」と喜ぶ。理学部の研究室は、教授を頂点に明確なヒエラルキーがある。下働きをする学生たちにとって、甘味を差し入れて面倒な作業を請け負ってくれる万太郎は、突如現れた救世主だった。

 万太郎の多芸さはこれだけではなかった。田邊から借りたボタンの花を筆で正確に描写してみせる。万太郎の技量に田邊も「土佐の人にはいつも驚かされるな」と感嘆。田邊が土佐とのつながりを匂わせるのは2度目だが、聞けば、開成学校で教わっていた英語の先生が土佐出身だという。教師の名前は「中濱万次郎」。万太郎が土佐で出会ったジョン万次郎(宇崎竜童)その人だった。

 のちに万太郎の人生に大きな影響を与える田邊の人となりについて、現時点でわかっていることは多くない。アメリカ帰りでバイオリンをたしなみ、寿恵子(浜辺美波)の叔母みえ(宮澤エマ)が話した鹿鳴館の事業を担当するなど表層的な情報にとどまる。第35話で新たに判明した事実は、田邊と万太郎の絆を強くするものだった。

 万太郎から万次郎の近況を聞いて、笑みを浮かべる田邊。同じ師に感化された万太郎に、田邊は「君と私はつながるべくしてつながったのかもしれないな」と言って、あらためて歓迎の意を表した。その光景を目にした植物学教室の面々は、複雑な表情に。来て早々、田邊の心をつかんだ万太郎に一同は気が気ではない。自分たちを差し置いて教授の田邊と懇意になった万太郎を、研究室に害をなす者ととらえても不思議ではなく、出会った当初のなごやかな空気は一瞬にして吹き飛んだ。

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