『ウ・ヨンウ』パク・ウンビンが世代交代の象徴に 第59回百想芸術大賞を振り返る

 韓国のゴールデングローブ賞と称される第59回百想芸術大賞が4月28日に開催された。

 2022年に受賞した『イカゲーム』や『D.P.ー脱走兵追跡官ー』に続き、今年もNetflix作品が7作品10部門で最多受賞し、勢いを感じさせた。テレビ部門では『ウ・ヨンウ弁護士は天才肌』と『ザ・グローリー 〜輝かしき復讐〜』が8部門にノミネートされたことで注目を集め、『ウ・ヨンウ弁護士は天才肌』は2冠、『ザ・グローリー 〜輝かしき復讐〜』は3冠に輝く。今回は受賞結果とともに印象的な場面を振り返っていきたい。

『ウ・ヨンウ弁護士は天才肌』Netflixにて配信中

 テレビ大賞に選ばれたのは、『ウ・ヨンウ弁護士は天才肌』のパク・ウンビン。個人で大賞を受賞したのは第55回のキム・へジャ以来だ。今年は地上波、OTTコンテンツに加えてWeb、動画プラットフォームまでが候補の対象となり、一次審査の段階で例年より長く、約5時間の話し合いが行われたという。選ばれし候補者が絞られた中で、満場一致で名前が挙がったのがパク・ウンビンだった。審査員のメンバーは「パク・ウンビンという俳優が演じてなかったらウ・ヨンウはなかっただろう。世代交代の象徴だ」とコメントした。(※)

 パク・ウンビンは、受賞スピーチで「世の中を変えるために一役を買うという大きな夢はありませんでしたが、この作品をしながら少なくとも前より親切な心が持てるように、それぞれの個性を相違ではなく多彩さとして認識できるようになることを願いながら演じました」とコメント。一つひとつの言葉にウ・ヨンウというキャラクターを演じる苦悩や、それを乗り越えて、誠心誠意作品と向き合ってきた過程が表れていた。『ウ・ヨンウ弁護士は天才肌』はシーズン2が決定しており、愛らしいウ・ヨンウにまた会えるのが楽しみである。

『ザ・グローリー ~輝かしき復讐~』Netflixにて独占配信中

 続いて、作品賞は『ザ・グローリー 〜輝かしき復讐〜』が受賞。校内暴力は近年の韓国でも大きく取り上げられている問題だ。選ばれた理由には「校内暴力というテーマを扱った作品が持つメッセージを一本のドラマですべて見せる影響力があった」、また「Kコンテンツをグローバルに進出するにあたってジャンルが限定されていたが、これを破った作品でもある」といったコメントが寄せられた(※)。社会性のあるメッセージ、グローバルへの影響力、各キャラクターの演技力が高く評価された。

 今年のテーマには“私たちは共に生きて、光を見つけていく”という意味が込められていた。パク・ウンビンの受賞スピーチでも、ドラマの中で好きなセリフは「私の人生は変わっているけれど、価値があって美しい」だと話している。それぞれの人生は価値があるものであり、他の誰かによって決められてはならない。今年はノミネート作品をみても、私たちを肯定してくれるようなセリフやメッセージが込められた作品が多かったように思う。

関連記事