『ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー』北米No.1 『アナ雪2』を超える大ヒット
もうひとつ、今週の注目作はマット・デイモン&ベン・アフレックの最新作『AIR/エア』。北米では同じく4月5日に公開され、週末3日間で1450万ドル、5日間で2021万ドルを記録して週末ランキングの第4位に滑り込んだ。
ナイキのスニーカー「エア ジョーダン」誕生の実話を映画化した本作は、シンプルながら骨太な“お仕事もの”であり、デイモン&アフレックのほか、ジェイソン・ベイトマンやヴィオラ・デイヴィス、クリス・タッカーといった実力者が揃った贅沢な群像劇でもある。スリリングかつコミカル、1984年の時代性をとらえながらも現代的な映画に仕上げた手つきは、“映画監督ベン・アフレック”にとっても最高傑作と言える一本だ。
本作はコロナ禍のなかで苦戦してきた「大人向け映画」に数えられるものの、事前の予想を上回るスタートとなったほか、観客の37%が18~34歳と、若年層の関心を惹くことにも成功している模様。Rotten Tomatoesでは批評家92%・観客98%、CinemaScoreでは「A」評価とあって支持率も申し分ない。
また『AIR/エア』はAmazon Studios作品であり、Amazonが初めて大規模な劇場公開に踏み切った一作。いずれPrime Videoにて独占配信されるとみられるが、現時点でスケジュールは告知されておらず、あくまでも(従来の映画スタジオと同じく)劇場興行に力を入れる格好だ。Amazonは今後、年間で12~15本の新作映画を劇場公開することが目標だというから、これはまだ新しいビジネスの出発点にすぎないのだろう。
日本を含む海外興収は1050万ドル(59市場)、世界興収は現時点で3071万ドル(海外配給はワーナー・ブラザース)。しかし製作費は9000万ドルと伝えられているため、劇場公開での黒字化は厳しそうなのが現実だが、それでも口コミ効果で興行成績をじりじりと伸ばしていくことに期待したい。
そのほか、今週のランキングは各作品の興行収入の数字がかなり似通っているため、速報と確定情報で順位が入れ替わる可能性が高い。なお、先週No.1の『ダンジョンズ&ドラゴンズ/アウトローたちの誇り』は前週比-61%で、3日間の成績は1450万ドル。北米興収6227万ドル・世界興収1億2407万ドルだから、製作費1.5億ドル+宣伝費の回収は厳しいかもしれない。批評家・観客からの評価は批評に高いだけに、この一作かぎりで終わってしまうのはあまりにも惜しいのだが……。
北米映画興行ランキング(4月7日〜4月9日)
1.『ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー』(初登場)
1億4636万ドル/4343館/累計2億462万ドル/1週/ユニバーサル
2.『ジョン・ウィック:コンセクエンス』(→前週2位)
1460万ドル(-48.5%)/3607館(-248館)/累計1億4706万ドル/3週/ライオンズゲート
3.『ダンジョンズ&ドラゴンズ/アウトローたちの誇り』(→前週1位)
1450万ドル(-61%)/3856館(+1館)/累計6227万ドル/2週/パラマウント
4.『AIR/エア』(初登場)
1446万ドル/3507館/累計2021万ドル/1週/Amazon
5.『Scream VI(原題)』(↓前週4位)
331万ドル(-37.9%)/2286館(-730館)/累計1億384万ドル/5週/パラマウント
6.『His Only Son(原題)』(↓前週3位)
325万ドル(-40.9%)/1930館(+10館)/累計1104万ドル/2週/Angel Studios
7.『クリード 過去の逆襲』(↓前週5位)
281万ドル(-43.8%)/2002館(-1205館)/累計1億5327万ドル/6週/MGM・UAR
8.『シャザム!~神々の怒り~』(↓前週6位)
160万ドル(-65.3%)/2203館(-1248館)/累計5660万ドル/4週/ワーナー
9.『Paint(原題)』(初登場)
75万ドル/819館/累計75万ドル/1週/IFC Films
10.『A Thousand and One(原題)』(↓前週7位)
60万ドル(-66.6%)/926館(変動なし)/累計296万ドル/2週/Focus Features
(※Box Office Mojo調べ。データは4月10日未明時点の速報値であり、最終確定値とは誤差が生じることがあります)
参照
https://www.boxofficemojo.com/weekend/2023W14/
https://www.hollywoodreporter.com/movies/movie-news/super-mario-bros-movie-box-office-record-opening-1235369721/
https://variety.com/2023/film/box-office/box-office-super-mario-bros-movie-opening-weekend-record-air-scores-1235577619/
https://variety.com/2023/film/news/super-mario-bros-movie-global-opening-weekend-record-1235577667/
https://deadline.com/2023/04/box-office-super-mario-bros-movie-air-amazon-ben-affleck-1235318951/
https://deadline.com/2023/04/the-super-mario-bros-movie-opening-china-global-international-box-office-1235318557/
■公開情報
『ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー』
4月28日(金)より全国公開
声の出演:クリス・プラット、アニャ・テイラー=ジョイ、チャーリー・デイ、ジャック・ブラック、キーガン=マイケル・キー、セス・ローゲン、フレッド・アーミセン、ケヴィン・マイケル・リチャードソン、セバスティアン・マニスカルコ
日本語版吹替声優:宮野真守(マリオ)、志田有彩(ピーチ姫)、畠中祐(ルイージ)、三宅健太(クッパ)、関智一(キノピオ)
脚本: マシュー・フォーゲル
監督:アーロン・ホーヴァス、マイケル・ジェレニック
製作:クリス・メレダンドリ(イルミネーション)、 宮本茂(任天堂)
配給:東宝東和
©2022 Nintendo and Universal Studios
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