『藤子・F・不二雄 SF短編ドラマ』追加作品に『おれ、夕子』 脚本・演出は山戸結希
4月9日より全12回でNHK BSプレミアム BS4Kにて放送される『藤子・F・不二雄 SF短編ドラマ』の追加作品とキャストが発表された。
『ドラえもん』『パーマン』『キテレツ大百科』など、児童漫画の名作の数々を送り出してきた藤子・F・不二雄。そんな藤子は、1969年に大人向けコミック誌に発表したSF『ミノタウロスの皿』をはじめ、生涯にわたり、刺激的でシュールな味わいのあるSF短編を多く執筆していた。その作品数は110以上に上り、未知のウイルスによる未曽有の災厄、核戦争の脅威、食糧危機と超高齢化、神の領域まで浸食する生命科学技術など、21世紀の世界を藤子が予見していたかのような物語が描かれている。本作では、それらの短編作品の中から10作品を実写ドラマして展開する。
先行して『流血鬼』(前後編)、『昨日のおれは今日の敵』、『テレパ椎』、『定年退食』、『メフィスト惨歌』の5作品が昨年末に発表されていた。
新たに映像化される作品として発表されたのは5作品。死んだクラスメートをめぐる怪事件から紐解かれる物語『おれ、夕子』には鈴木福、田牧そら、柴崎楓雅、山本耕史が出演。脚本・演出は山戸結希が担当する。また、ケンカの絶えない父子の心が入れ替わる1日を描く『親子とりかえばや』に青木柚、吹越満、望月歩が出演。脚本・演出は松本壮史が担当する。
そのほか、彗星が地球に衝突する事態を目前としたパニック模様を描く『箱舟はいっぱい』、この世のすべてに実在感を持てなくなったサラリーマンの物語『どことなくなんとなく』、宇宙船の密室で繰り広げられる船員たちのギリギリの攻防劇『イヤなイヤなイヤな奴(前後編)』も映像化される。こちらの3作品は6月に放送予定で、出演者などの詳細は後日発表される。
また、『おれ、夕子』、『メフィスト惨歌』、『テレパ椎』、『定年退食』の4作品の場面写真もあわせて公開された。
『おれ、夕子』出演者コメント
鈴木福(佐藤弘和役)
藤子・F・不二雄先生のSF、すこしふしぎな世界に胸が踊りました。
僕×めがねで、藤子・F・不二雄先生の世界観、弘和が出せたら良いなと思います!
SFというと、僕もSuzukiFukuなので、SFですね!! 放送を楽しみにしていてください!
田牧そら(鈴木夕子役)
藤子・F・不二雄先生の作品に携わることができること、そして山戸監督とご一緒できるということを聞いてすごく嬉しかったです。私が演じた夕子はとても優しい女の子です。夕子のセリフは、重みがあって、口にするのが苦しい瞬間もありました。ですが、衣装合わせや本読み、撮影の際に、監督やスタッフ、共演者の方々と一緒に、細かいところまでこだわって作り上げるのが本当に楽しかったです。「おれ、夕子」は少し切なく、でもとても温かい作品だと思います。この作品が少しでも多くの人の心に残ったら嬉しいです。
柴崎楓雅(苅野勉吉役)
僕の演じた勉吉は、今まで挑戦したことのないキャラクターだったので、そんな自分に戸惑いながらも、原作に少しでも近づけられたらと、全力で楽しみながら撮影を終えました。幼少期よりアニメや漫画で慣れ親しんだ藤子・F・不二雄先生の作品の仲間のひとりになれたこと、すごく嬉しく思います。「おれ、夕子」は、家族・友人それぞれの愛情がたくさん詰まったお話です。
是非多くの方に受け取っていただけたら嬉しいです。
山本耕史(夕子の父役)
原作は、子供を失って人の道理を外れたことまでしてしまう父親の悲しみと愛情の切ないストーリーですね。明るい作品のイメージの強い藤子作品の中では、重たいけれど愛のある作品です。16歳の田牧さんは自分の娘でもおかしくない年齢なので、リアリティをもって演技ができました。今回原作に寄せたヘアメイクをしてみましたが、漫画から読み取れる空気感を大切にしつつ、決してマンガチックにはなりすぎない重厚なドラマになっていると思います。各々の立場によって何を感じるかが変わる作品だと思いますが、愛と悲しさとちょっと未来も感じていただければと思います。
『親子とりかえばや』出演者コメント
吹越満(相良鉄男役)
親子が入れ替わるという楽しいファンタジーですがちょっと怖い話でもありますね。自分自身の19歳くらいのことを思い出しつつ演じればよかったので、当時のテキトー感を出すのはやりやすかったです。今もテキトーですからね(笑)。父親を演じなくてはならなかった青木君のほうが大変だったと思います。若い人と一緒に仕事をするといつも羨ましいと思いますが、いざもう一回若者をやり直したいかというと躊躇しそうです。今回はカラオケで、普段は歌わない若い世代の歌を歌ったのですが、ものすごく聴きこんで練習しました。そのシーンはぜひ注目していただきたいです。
青木柚(相良甚六役)
遊び心に溢れた藤子・F・不二雄先生の描く世界。
独創的かつ普遍的で、いつの時代にも通じるような人情が詰まっている短編集に携わることができ、光栄に思います。自分が演じた甚六と同じように、身体の入れ替わりに戸惑いながらも、もどかしくて愛らしい親子の距離感を大事に撮影しました。現実離れしている展開でも、不思議と色々な世代の方が思いを重ねられるような、ユニークでじんわりあたたかい作品です。是非ご覧ください。
望月歩(亀田佐吉役)
父親の部下の亀田佐吉を演じさせていただきました。子供の頃から触れてきた藤子・F・不二雄先生の世界に携わらせてもらえることが幸せでした。この短編の原作は初めて見たのですが、もし自分に同じことが起きたら、きっと「今を大事にしよう」と思うんだろうなと想像しながら、自分の役を大切に演じました。親子の関係性が魅力的な作品ですので、ご家族で観ていただけると嬉しいです。
■放送情報
『藤子・F・不二雄 SF短編ドラマ』
NHK BSプレミアム・BS4Kにて放送(15分×12回予定)
『おれ、夕子』
4月9日(日)22:50〜
脚本・演出:山戸結希
出演:鈴木福、田牧そら、柴崎楓雅、藤井夏恋、池村碧彩、山本耕史
『メフィスト惨歌』(日)23:05〜
脚本・演出:宇野丈良
出演:又吉直樹、鈴木杏、武内駿輔、渡辺哲、大方斐紗子、大和田伸也、遠藤憲一
『定年退食』
4月16日(日)22:50〜
脚本・演出:宇野丈良
出演:加藤茶、井上順、山崎潤、原扶貴子、池田鉄洋、中山翔貴、白鳥紗良、神谷圭介、吉田正幸、小出圭祐、上原りさ、山崎あみ、三ツ矢雄二、ベンガル
『テレパ椎』
4月16日(日)23:05〜
脚本:本多アシタ
演出:倉本美津留
出演:水上恒司、坂口涼太郎、北香那、岡崎体育、富田望生、やついいちろう
『昨日のおれは今日の敵』
4月23日(日)22:50〜
脚本・演出:家次勲
出演:塚地武雅、高橋努、アベラヒデノブ、宮下かな子、本多力
『親子とりかえばや』
4月23日(日)23:05〜
脚本・演出:松本壮史
出演:青木柚、吹越満、横田真悠、望月歩、宮田早苗、霧島れいか
『流血鬼 前後編』
4月30日(日)22:50〜
脚本・演出:有働佳史
出演:金子大地、堀田真由、加藤清史郎、福山翔大、宮崎吐夢、片岡礼子、宮川一朗太
※6月の同じ時間帯に『箱舟はいっぱい』『どことなくなんとなく』『イヤなイヤなイヤな奴(前後編)』を放送予定。
制作統括:古屋吉雄(NHK)、 川崎直子(NHKエンタープライズ) 上田勝巳(ライツ)
『藤子・F・不二雄SFワールド探検』
3月30日(木)10:30~10:59 NHK BSプレミアム
4月2日(日)22:50〜23:19 NHK BSプレミアム/BS4K
出演:塚地武雅、加藤清史郎、ヤマザキマリ(漫画家)、南信長(漫画解説者)
写真提供=NHK