『相棒』全話が現代社会への大切なメッセージに 右京×亀山に再会できる日を願って

 葛葉の寺になかった13個目の骨壷はジャスの家・真野家のものだった。ジャスは自分が生まれてからすぐに亡くなったといわれている祖父がヒ素によって殺されたと両親が話していたことを記憶しており、死の真相を確かめたかったのだ。祖父は誰もが認める暴君で、亡くなったことで真野家は平穏に過ごせるようになっていた。一方で、本人は確信を持っているが、ジャスの記憶は小さい時のもので、信用に足るものではない。黙っていれば一生丸く収まっていただろうが、ジャスにはそれが我慢ならなかったのだろう。事件に小野田の遺骨が巻き込まれたことは偶然のようだが、なぜか彼の顔が浮かび、昔、右京へ向けて「正義は時に暴走する」と言ったことが思い出された。徹底的に正義を重んじる右京と正義という名を持つジャス。もしかしたらふたりは似たもの同士だったのかもしれない。

 無事、小野田の遺骨を墓に戻した右京と亀山。亀山が「天国でさぞかしご立腹かと」と言うとすかさず右京は「天国にいらっしゃいますかねえ」と憎まれ口叩いた。あまり言いすぎると「小野田が化けて出ますよ」と笑う亀山に右京は「ならばもっと叩きましょうかね」と楽しそうに言った。右京がこんなことを言うのは珍しく、久しぶりに小野田のことを思い出して寂しい気持ちになったかもしれない。小野田の事件が発端となった最終回ならではの一場面となった。

 『相棒』の公式Twitterには、右京と亀山、そして「トリオ・ザ・捜一」の3人の仲睦まじい姿と「これからも宜しくお願いします」の一言が。見応えのあった今シリーズが終わってしまったことを寂しく感じながらも「それは次シリーズもやるということでいいんですよね?」と密かに期待している。

■配信情報
『相棒 season21』
TELASA、TVerにて配信中
出演:水谷豊、寺脇康文、森口瑤子、鈴木砂羽、川原和久、山中崇史、篠原ゆき子、山西惇、田中隆三、神保悟志、小野了、片桐竜次、杉本哲太、仲間由紀恵、石坂浩二ほか
エグゼクティブプロデューサー:桑田潔
チーフプロデューサー:佐藤凉一
プロデューサー:高野渉、西平敦郎、土田真通
脚本:輿水泰弘ほか
監督:橋本一ほか
音楽:池頼広
制作:テレビ朝日、東映
©テレビ朝日・東映
公式サイト:https://www.tv-asahi.co.jp/aibou/
公式Twitter:@AibouNow

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