『スクリーム』第6作が北米でシリーズ新記録 『ウェンズデー』ジェナ・オルテガも出演

 大人気スラッシャーホラー『スクリーム』が、シリーズ開幕から30年近くを経てもなお変わらない人気ぶりを見せつけた。第6作『Scream VI(原題)』は、3月10日~12日の北米週末興行収入ランキングでNo.1を獲得。3日間で4450万ドルを稼ぎ出し、シリーズ史上最高のオープニング成績となった。

 殺人鬼ゴーストフェイスの恐怖を描いてきた『スクリーム』シリーズは、昨年(2022年)に11年ぶりの新作となった第5作『スクリーム』が北米で公開され、初登場No.1を記録。スタジオ側は大ヒットを受け、すぐに続編のゴーサインを出していた。今回の『Scream VI』は製作費3300万ドルと伝えられており、早くも黒字化は確実だ。

Scream VI | Official Trailer

 舞台をウッズボローからニューヨークに移した本作には、『イン・ザ・ハイツ』のメリッサ・バレラ、Netflixシリーズ『ウェンズデー』でスターとなったジェナ・オルテガ、『FALL/フォール』のメイソン・グッディング、『イエロージャケッツ』のジャスミン・サヴォイ・ブラウンらが前作から続投。もちろん、オルテガの人気急騰が本作の興収に影響を及ぼしたことは想像に難くない。

 監督は前作に続き、『レディ・オア・ノット』のマット・ベティネッリ=オルピン&タイラー・ジレット。見事2作連続で高評価をものにし、Rotten Tomatoesでは批評家75%・観客92%というハイスコアを獲得。出口調査に基づくCinemaScoreでも「B+」評価となったほか、別の調査では74%が「強く薦める」と回答した。賛否の分かれがちなホラー作品としてはいずれも珍しい結果だ。

 興行の決め手は、長寿シリーズながら幅広い観客層にしっかりと刺さったことだろう。観客の男女比はほぼ半々、しかも18~24歳という若年層が観客全体の42%を占めたというから、ファンの世代交代に成功したことはほぼ間違いない。海外53市場でも興行収入2260万ドルを記録し、世界累計興収は6710万ドル。前作は日本ではソフト&配信スルーとなったが、この勢いを受けての劇場公開にも期待したい。

 ちなみに出演者には、『ザ・ベビーシッター』シリーズのサマラ・ウィーヴィングや、トム・ホランド版『スパイダーマン』シリーズのトニー・レヴォロリらも参加。シリーズ全作に出演するゲイル・ウェザーズ役のコートニー・コックス、『スクリーム4:ネクスト・ジェネレーション』(2011年)のヘイデン・パネッティーアも復帰した。シリーズの主人公シドニー・プレスコット役のネーヴ・キャンベルは不在となったが、新旧キャストが入り乱れる豪華な顔ぶれは、本作が一種の“お祭り映画”であることをはっきりと示してもいる。

65 – Official Trailer

 そのほか今週は、第3位に『65(原題)』が初登場。アダム・ドライバー演じる宇宙船のパイロットが謎の惑星に不時着するが、そこは6500年前の地球であり、生存者の少女とともに恐竜の闊歩する中を生き延びようと奮闘するSFスリラーだ。3日間で1230万ドルという初動成績は事前の予測をやや上回ったが、製作費4500万ドルを鑑みると状況は厳しい。

 監督・脚本は『クワイエット・プレイス』のスコット・ベック&ブライアン・ウッズ、製作には巨匠サム・ライミ。強力な布陣が揃ったが、作品の評価は芳しくなく、Rotten Tomatoesでは批評家36%・観客64%にとどまった。CinemaScoreでも「C+」の低評価とあって、ここから興行的な好転は期待しづらい状況だ。

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