アリ・アッバシ新作『聖地には蜘蛛が巣を張る』予告編公開 聖地の闇に暴かれる真実とは

『聖地には蜘蛛が巣を張る』予告編公開

 4月14日に公開されるアリ・アッバシ監督最新作『聖地には蜘蛛が巣を張る』の予告編が公開された。

 本作は、イランの聖地マシュハドで2000年から2001年にかけて16人もの犠牲者を出した“スパイダー・キラー事件”と呼ばれたサイード・ハナイによる娼婦連続殺人事件から着想を得たクライムサスペンス。

 第71回カンヌ国際映画祭ある視点部門でグランプリを受賞した『ボーダー 二つの世界』のアッバシ監督が、「連続殺人鬼の映画を作りたかったわけではない。私が作ろうと思ったのは、連続殺人鬼も同然の社会についての映画だった」と語り、構想に15年をかけたという。本作で第75回カンヌ国際映画祭女優賞に輝いたザーラ・アミール・エブラヒミが、主人公の女性ジャーナリストを演じた。

映画『聖地には蜘蛛が巣を張る』予告編

 公開された予告編は、「俺の話をメモしろ。街中の娼婦を始末してやる」という新聞社に届いた犯行声明の声と、連続殺人犯“スパイダー・キラー”が次のターゲットを探すために夜の街をバイクで走る後ろ姿から始まる。真相を追う女性ジャーナリスト・ラヒミは、「同じ手口で殺害」され多くの被害者が出ているにもかかわらず、犯人が捕まらない状況に、「誰かがかばっている」と疑いを持ち、「真相を暴く」ため周辺取材を進める。消極的な捜査の割には高圧的な警察のトップ。ラヒミの「犯人はイスラム法を実行してるとも」という問いに「聖職者は常に裏で何かを企んでると?」と相手にしない聖職者。街で生活をする主婦は「街の腐った女たちよ。殺されて当然」と蔑む。

 一方で、事件が起きても変わらず夜の街に立ち、挑発する娼婦たち。そんな中、犯人は平然と街をバイクで走り、娼婦たちを狙っていく。次第にラヒミ自身にも「態度に気をつけたまえ、特に聖地マシュハドではな」という忠告や「この事件は忘れろ」と警察に迫られるなど不穏な影が迫るが、自分が囮になり犯人を追い詰めようとする。そんなラヒミの前についに犯人が……。「街を浄化するのだ」と殺人を続ける犯人と、「浄化しろ」と犯人を英雄視していく一部の市民の様子が映し出されている。

 さらに、本作のムビチケカードが3月3日より上映劇場窓口、通販サイト「メイジャー」にて発売される。

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■公開情報
『聖地には蜘蛛が巣を張る』
4月14日(金)より、新宿シネマカリテ、ヒューマントラストシネマ渋谷、TOHOシネマズ シャンテほかにて全国順次公開
監督:アリ・アッバシ
脚本:アリ・アッバシ、アフシン・カムラン・バーラミ
音楽:マルティン・ディルコフ
撮影:ナディム・カールセン
編集:ハイェデェ・サフィヤリ、オリヴィア・ニーアガート=ホルム
出演:メフディ・バジェスタニ、ザーラ・アミール・エブラヒミ
配給:ギャガ
2022年/デンマーク・ドイツ・スウェーデン・フランス/ペルシャ語/シネスコ/5.1ch/118分/原題:Holy Spider/字幕翻訳:石田泰子/後援:デンマーク王国大使館/R-15
©Profile Pictures / One Two Films
公式サイト:gaga.ne.jp/seichikumo

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