『リバーサルオーケストラ』瀧内公美はコメディ演技も一流だ “幸薄い美女”役との振り幅
朝陽の幼なじみの女性、後藤かおり(相武紗季)が現れればライバルとみなし、早速SNSを探し出して「高い化粧水使ってんな~」とチェック、彼の母親に会った時には「お手伝いすることありますか? なんでもやります~!」とゴマをすり、そこへかおりが朝陽と連れ立って現れた時には白目をむいてうなっていた。
もちろん、ただ朝陽を追っかけてはしゃいでいるだけじゃない。
彼女のエピソードがメインとなった第6話では、「私の人生の目標はハイスペと結婚して、のんびりチェロ弾いて暮らすこと」と、音楽と正面から向き合うことを避けていた彼女が、「合コンに行く」と言いながら、実は密かにカラオケボックスで自主練をしていた事実が明かされた。
「凡人だから、他の人の何倍も努力しないと人並にすらなれない」と、天才バイオリニスト・谷岡初音(門脇麦)や朝陽が身近に来たからこそ、天才ではない自分の実力を思い知らされ、音楽を続けるモチベーションが折れそうになっている演奏者の苦しみを見せた。
また、メンタルが弱めの初音を優しく励まし、現実的に対処させる大人の顔もきちんとある。だから、第6話が終わった時点で、佐々木怜緒という女性にどうしたって好感を抱いてしまうのだ。苦しくシリアスな状況の女性から、こういうキャラもできるなんて、瀧内公美はすでに無双状態に突入したと思う。
『リバーサルオーケストラ』は、こうした奏者役それぞれの好演と、素人目には本当に弾いているようにしか見えない各自の演奏の演技の上手さで、エピソードごとに面白さがしっかりふくらんでいる。崖っぷちポンコツオケは、この先どうやって市民に愛されるオーケストラになっていくのだろうか。
個人的には、悪態をつき合っていた怜緒と、第6話でグッと距離の縮まったパーカッショニストの藤谷耀司(渋川清彦)の大人ふたりの関係の進展も楽しみだ。
■放送情報
『リバーサルオーケストラ』
日本テレビ系にて、毎週水曜22:00〜放送
出演:門脇麦、田中圭、瀧内公美、坂東龍汰、濱田マリ、平田満、前野朋哉、行平あい佳、ロイック・ガルニエ、岡部たかし、永山絢斗、恒松祐里、津田健次郎、原日出子、生瀬勝久、相武紗季
脚本:清水友佳子
演出:猪股隆一、小室直子、鈴木勇馬
チーフプロデューサー:三上絵里子
プロデューサー:鈴間広枝、松山雅則
制作協力:トータルメディアコミュニケーション
製作著作:日本テレビ
©︎日本テレビ
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