内田理央の“ちょっと切ない”愛されキャラ “だーりお”が性別を超えて愛される所以とは
彼女を見ていると、自分の中の幼な心が疼く。彼女とは、火曜ドラマ『夕暮れに、手をつなぐ』(TBS系)に人気ユニット「ズビダバ」のボーカリスト・アリエル役で出演している内田理央のことだ。
その愛らしいたぬき顔と漫画や牛丼を愛する庶民的な一面も相まって、どこか親しみやすい印象を受ける内田。実際、彼女は“だーりお”の愛称で幅広い層から人気を集めており、公式YouTubeチャンネルでは21万人以上の登録者を抱えている。
そんな彼女の原点はグラビア。グラビアといえば、男性が見るものというイメージがあるかもしれないが、「性別関係なく楽しめるグラビア」をモットーとしていた内田の写真はただセクシーなだけではなく、女性から見てもかわいいと思うようなものが多かった。(※)2015年からはファッション誌『MORE』(集英社)の専属モデルとなり、ますます同性から支持されるようになるが、内田は常に性別を超えて愛される存在という印象がある。
それは役者としても同じ。ともすれば、女性から敬遠されそうな役柄も内田は嫌味なく演じることができる。例えば、『おっさんずラブ』(テレビ朝日系)で演じたちず。彼女は主人公の春田(田中圭)に思いを寄せる幼なじみで、春田と最終的に結ばれる牧(林遣都)にとってのライバルだ。春田と牧の恋を応援している人からすれば、ちずは邪魔者に思えなくもない。しかし、ただの幼なじみだと思っていた春田への恋心を自覚するも、時すでに遅し。好きな人が自分以外の誰かに惹かれていくのを目の当たりにする片想い女子の切ない心情を繊細に体現し、多くの共感を集めた。
現在、シーズン3が放送中の『来世ではちゃんとします』(テレビ東京系/以下『来世ちゃん』)では主演を務めている内田。5人のセフレがいて、その一人に縄で縛られながらオムライスを食べたり、「セックスしたーい!」と赤裸々な思いを叫んだりする性依存系女子の“桃ちゃん”こと桃江を体当たりで演じている。
桃江は主人公ではあるが、セクシーさとかわいさを兼ね備えた男ウケ抜群の女性。ちょっとたどたどしい喋り方やオーバーなリアクションが異性をキュンとさせる一方で、同性からは嫌われそうなものを、内田が演じると逆に応援したくなる要素になるから不思議だ。それは内田がコミカルな演技の中に、桃江のピュアな一面や切ない心情を忍ばせているからだろう。