『ザ・フラッシュ』でDC映画の世界はどう変わる? マイケル・キートン登場の新予告を解説
さて、この『ザ・フラッシュ』は紆余曲折あって他のヒーロー映画以上に注目される作品になっています。なぜか? 実はDCは、映画『ジャスティス・リーグ』が思うような評価を得られなかったため、一旦この路線を見直そうとしました。その役割をフラッシュに担わせようとしたのですね。先にも書いたように、コミックの“フラッシュポイント”という衝撃的なエピソードを使って、映画の方でもエズラ・ミラー演じるフラッシュが過去を変え、新たなDC映画世界を誕生させる、というものでした。
具体的に言うと、ベン・アフレック演じるバットマンが、マイケル・キートンのバットマンに置き換え。ヘンリー・カヴィルのスーパーマンではなく、サッシャ・カジェが演じるスーパーガールが活躍する世界になってしまう。どうやらDCはこの作品を通じて、ベン・アフレックのバットマン、ヘンリー・カヴィルのスーパーマンを一回リセットするつもりだったようです。少なくともこの作品以降、マイケル・キートンのバットマンがDC映画の中心的役割を果たすと。
ファンにとっては期待と不安が半々でした(ベン・アフレックのバットマンも好きな人が多いですから)。ところがここで予期せぬことが起こります。詳しい経緯は省きますが、主演のエズラ・ミラー自身のスキャンダルで映画自体がお蔵入りする可能性が出てきたのです。そうなると『ザ・フラッシュ』で新たなDC映画世界を作ろうとした試みが頓挫してしまうわけですね。結果的に、DCはエズラ・ミラーの反省を受け入れ『ザ・フラッシュ』は公開されることとなります。
しかし、ここでまた新たな衝撃が。ジェームズ・ガン監督とピーター・サフランがDC映画の新部門DCスタジオのCEOになり、DC映画の大幅なリニューアルを発表したわけです。そしてガン監督は、ほぼほぼ出来上がっていた『ザ・フラッシュ』に対し“素晴らしい作品”と評し、そして“本作でDC映画世界は書き換わる”と明言しました。ここで気になるのは、その“書き換わる”内容です。
繰り返しになりますが、ジェームズ・ガン監督らがボスになる前から、DCは『ザ・フラッシュ』でDC映画世界を書き換えるつもりでした。それが「ベン・アフレックからマイケル・キートンのバットマンになる」という構想でした。しかし、ジェームズ・ガン監督がもしバットマンについて、これとは別の新たなビジョンを持っているのだとしたら、「ベン・アフレックからマイケル・キートンのバットマンになり、さらにジェームズ・ガンの考える新バットマンが登場する」かもしれないのです。したがって、この『ザ・フラッシュ』によってジェームズ・ガン監督らの目指すDC映画世界=DCユニバースがある程度見えてくるのではないか。『ザ・フラッシュ』はその試金石的作品というわけです。
したがって今回の予告編で見えてきた以上のサプライズが、劇場で待っているかもしれません。
■公開情報
『ザ・フラッシュ』
6月16日(金)日米同時公開
監督:アンディ・ムスキエティ
出演:エズラ・ミラー、ベン・アフレック、マイケル・キートン、サッシャ・カジェ、マイケル・シャノン
配給:ワーナー・ブラザース映画
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