『警視庁アウトサイダー』西島秀俊&濱田岳が名バディに セリフに滲む確かな信頼関係

 脛に傷を持つ刑事同士が、秘密を抱えたまま互いを利用し合うため手を組む異色バディもの『警視庁アウトサイダー』(テレビ朝日系)。

 第1話早々にエース刑事・蓮見光輔(濱田岳)が別人になりすましていることを見破った元“マル暴”刑事・架川英児(西島秀俊)。互いに銃口を向け合いながら協力し合うことを決めた2人だが、徐々にお互いが追う敵の背中が重なるにつれ、打算的な繋がりだけではないバディ感が出てきている。新米刑事・水木直央(上白石萌歌)から“2人はデキている”と勘違いされるほどに。そして、“マル暴”時代の元上司・藤原要(柳葉敏郎)が、自身の“幕引き”を意識した際に、こっそり蓮見の元に“架川をよろしく”と挨拶しに来ていたくらいに。第4話で、架川の“マル暴”時代の元部下たちが水木のことを馬鹿にし、架川に対してあまりに不躾な態度をとるのを見過ごせず詰め寄る蓮見の姿に、胸が熱くなった視聴者も少なくなかっただろう。

 「俺の後輩に気安く触んな。それとあんたらが対等に口利ける相手じゃないだろ、架川さんは」という、この短い言葉に蓮見から架川へのリスペクトが滲んでいた。

 そして、ついに第5話では蓮見は自身が手を組んでいる“兄貴”――監察係の羽村琢己(福士誠治)を架川に紹介した。心強い頼もしすぎる異色トリオがここにも誕生したわけだが、どんどん目的のために仲間を集め、必要なものを手にしていく架川と蓮見の姿は痛快だ。

 今は亡き藤原は、娘に伝えたい言葉を残した。「なんかやらかしたら遠慮なく人に頼れ。耳の痛いことを言ってくれる人に話せ。そういう人がいればやり直しは利くから」の“そういう人”とは、架川と蓮見それぞれにとってお互いの存在をいうのだろう。

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