『舞いあがれ!』横山裕が繊細に演じた悠人の心の変化 一太&貴司を取り巻く物語にも動き

 『舞いあがれ!』(NHK総合)第89話では、悠人(横山裕)が、めぐみ(永作博美)と舞(福原遥)と食卓を囲む。「何かカレー食べたなった」と話す悠人は、めぐみと舞が五島にいたとき、浩太(高橋克典)がカレーばかり作っていたことを思い出す。浩太が作ったカレーを振り返り、文句を言う悠人だが、「今、あのカレーが一番食べたいわ」とこぼした。

 悠人は東京に戻るという。「数え切られへん人らに迷惑かけたし、ちゃんと責任取らな」とめぐみの目を見て話す悠人の姿が心を打つ。舞から「電話するからちゃんと出てな」と言われると、悠人は「約束はできん」と返しながらも「けど、出られへんかったらかけ直す」と言った。悠人の顔つきは少しやわらかくなったように見える。道端で倒れていた悠人を介抱してくれた佳晴(松尾諭)と久留美(山下美月)にも頭を下げ、悠人は罪を償うことになった。浩太と素直に向き合えなかったことを後悔していた悠人だったが、第89話でめぐみや舞、佳晴や久留美と向き合う悠人の言動は素直に映る。悠人は投資の世界をおとしめてしまったが、その事実と向き合って、やり直すための一歩を踏み出した。

 第89話では、一太(若林元太)と貴司(赤楚衛二)を取り巻く物語にも動きがあった。

 一太(若林元太)は五島で行われた釣りフェスタで出会った百花(尾本祐菜)に想いを馳せる。自身の恋心を正直に打ち明けつつも、祥子(高畑淳子)から「会いたいとやったら会いに行けばよかろう?」と言われると「心の準備ができちょらん」と踏ん切りがつかない。そんな息子を見て、信吾(鈴木浩介)は「苦労ばしても、自分の気持ちば大事にしたかとやろ?」「なら後悔ばせんように考えれ」と激励する。信吾の言葉に背中を押され、一太は大阪へ行くことを決意する。

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