『星降る夜に』『最愛』吉高由里子×ラブストーリーは鉄板 ヒロインの強さと弱さを体現
『最愛』では、ある事件の重要参考人になった梨央が、その担当刑事として初恋の相手である大輝(松下洸平)と出会ってしまう。何も心配することもなく無邪気に笑い合えた白川郷での日々から、互いにそれぞれ守らねばならないものや正義を抱えてしまった中での願ってもみない再会はあまりに切なく、互いの身を切り裂くようだ。吉高の凛とした強さがあるからこそ、無残にもそれが引き裂かれてしまう誰も悪くはない運命のいたずらの残酷さが際立つのだ。そして、15年間離れ離れで全く別世界で生きてきた梨央と大輝が、2人でいるとお互いに変わらない部分が知らぬ間に引き出されるさまに胸を掴まれた。
『星降る夜に』で演じている鈴も“正しさ”や“幸不幸”を簡単に決めつけ断言するようなところがない。第2話では生まれてすぐ母親に抱いてもらうことも、名前を付けてもらうこともなく産院に置き去りにされてしまう赤ちゃんに簡単に“かわいそう”という烙印を押さなかったように。「俺もかわいそうじゃない? 普通と違うから」と問いかける一星に、ろう者であることや両親を亡くしているという彼の表層的な情報なんかでは取り合わずに、彼自身の仕事におけるお節介ぶりや変わった趣向性を取り上げ「羨ましいくらい魅力的な人生」と何のてらいも迷いもなく返していたように。
それは、映画『きみの瞳が問いかけている』での目が見えない明香里(吉高由里子)が、罪を犯しキックボクサーとしての未来を絶たれた塁(横浜流星)を眼差す際にも終始反映されていた。屈託がなく眩いくらいに真っ直ぐで、だけれども、その“真っ直ぐさ”で誰かを断罪したり傷つけてしまうことがない。最初は尖っていてもいろんな波に揉まれて丸くなり人を傷つけることがないシーグラスのように。割り切れなさややるせなさを抱えながらも、それでも人を信じようとするヒロインの強さと弱さの両面をしっかりと見せてくれる吉高が紡ぐラブストーリーが魅力的でないはずがないのだ。
■放送情報
『星降る夜に』
テレビ朝日系にて、毎週火曜21:00~21:54放送
出演:吉高由里子、北村匠海、ディーン・フジオカ、千葉雄大、猫背椿、長井短、中村里帆、吉柳咲良、駒木根葵汰、若林拓也、宮澤美保、ドロンズ石本、五十嵐由美子、寺澤英弥、光石研、水野美紀
脚本:大石静
監督:深川栄洋、山本大輔
ゼネラルプロデューサー:服部宣之
プロデューサー:貴島彩理、本郷達也
音楽:得田真裕
制作:テレビ朝日、MMJ
©︎テレビ朝日
公式サイト:https://www.tv-asahi.co.jp/hoshifuru_yoruni/
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