『赤いナースコール』佐藤勝利が恐怖の限界に挑む 過剰さがもたらす倒錯したスリル

 振り回されるのは視聴者だけではない。犯人が誰かわからないまま(自分が犯人かもしれないと思いながら)演じる役者たちにも独特の緊張感が漂っている。詳しくは特典映像に収録されているキャストの座談会をご覧いただければと思うが、ベテランの鹿賀丈史や浅田美代子、池田鉄洋がそのあたりのさじ加減をどのように料理しているかは本作の隠れた見どころである。

 視覚で魅せる本作はホラー要素が売りだ。あらかじめ断っておくと、本作のスプラッター指数は相当高い。第6話冒頭で注意テロップが表示されるなど凄惨なシーンが相次ぎ、その頻度は終盤になるにつれて高まる。劇中で猟奇的な犯罪を繰り返す犯人はサイコパスであることが示唆されるが、趣向を凝らした殺害方法をこれでもかと押し出す制作陣こそサイコパスなのではないかと勘ぐってしまうほどだ。美術スタッフの気合の入った仕事にも注目してほしい。

 ホラー作品では恐怖に震える登場人物のおびえぶりが成功のバロメーターになる。願望込みで言うとメインキャストは心底怖がっていなければならない。受けの演技が求められる状況で『赤いナースコール』は、主人公にさらなる縛りを与える。佐藤演じる翔太朗は骨折してベッドから動けず、恋人のアリサ(福本莉子)も顔の半分を包帯で覆われている設定。ドSすぎるシチュエーションで恐怖の限界に挑んだ2人の軌跡は、Blu-ray&DVD-BOX収録のメイキングでも確認できる。

 秋元康の手のひらの上で転がされながら、ある程度まで進むと次に何が起こるのだろうと楽しみにしている自分がいる。車イス探偵のような翔太朗も好奇心が恐怖を上回っていたのではないだろうか。日常にない倒錯したスリルにこそ『赤いナースコール』の魅力はある。

■リリース情報
『赤いナースコール』
Blu-ray&DVD BOX発売中
<Blu-ray BOX>
価格:21,000円(税抜)
<DVD-BOX>
価格:17,000円(税抜)

【封入特典】
・ブックレット

【特典映像】(約117分)
ザ・メイキング
撮り下ろし“座談会”
スペシャルNG集
初解禁!記者会見映像

※仕様は予告なく変更となる場合あり

出演:佐藤勝利(Sexy Zone)、福本莉子、池田鉄洋、ベッキー、木村了、山本浩司、橋本淳、森田甘路、大水洋介(ラバーガール)、堀口紗奈、板尾創路、浅田美代子、鹿賀丈史
企画・原作:秋元康
脚本:秋元康、宮本武史、服部隆、吉崎崇二
監督:本橋圭太、上田迅
音楽:矢野博康
主題歌: みゆな「凝視」(A.S.A.B)
オープニングテーマ:Sexy Zone「Sleepless」(Top J Records)
チーフプロデューサー:森田昇(テレビ東京)
プロデューサー:北川俊樹(テレビ東京)、平部隆明
制作:テレビ東京、ホリプロ
製作著作:「赤いナースコール」製作委員会
発売元:「赤いナースコール」製作委員会
販売元:株式会社ハピネット・メディアマーケティング
©「赤いナースコール」製作委員会

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