2023年はアニメ映画人気がさらに発展? 『君たちはどう生きるか』など注目作を紹介

『きみの色』

『きみの色』©2023「きみの色」製作委員会

 筆者が最も注目するのは、秋ごろに公開予定の『きみの色』だ。『リズと青い鳥』などで知られる山田尚子監督作品であり、脚本に吉田玲子、音楽に牛尾憲輔という黄金トリオで制作されている。また今作は名プロデューサーの川村元気などが所属するSTORY inc.がプロデュースすることも決定している。すでにアニメファンの中では確かな評価を受ける山田尚子監督が、テレビシリーズも原作もないオリジナルでどのような作品を発表するのだろうか。

『スパイダーマン:アクロス・ザ・スパイダーバース』

『スパイダーマン:アクロス・ザ・スパイダーバース』予告

 海外からもう1本。『スパイダーマン:アクロス・ザ・スパイダーバース』を紹介しなければ、映画ファンに怒られてしまうだろう。2019年に日本でも公開された『スパイダーマン:スパイダーバース』の続編にあたる作品だ。すでに公開されている予告編を見るだけでも、CG表現の幅がとても広く、アーティスティックな色彩を多用した表現なども見受けられる。CGアニメーションの可能性を広げた作品の続編だけに、この数年でどれほど進化を遂げているのか確認したい。

『金の国 水の国』

映画『金の国 水の国』本予告 2023年1月27日(金)公開

 最後にすでに筆者が鑑賞した作品から、オススメの2作品を紹介したい。1作目は1月27日公開の『金の国 水の国』だ。原作は2017年「このマンガがすごい!」で第1位を獲得している。アニメーションとしての映像表現のレベルが高く、キャラクターたちの言動に引き込まれて愛してしまうこと間違いなし。国の存亡をかけた壮大なお話と、個人の恋愛というミクロな話のミックスがうまく、老若男女に受け入れられやすい作品となっている。おそらく2023年のベスト映画ランキングTOP10に入れる観客も多いであろうと予想される作品だ。

『雄獅少年』

『雄獅少年』スーパーティザー 2023年公開

 次に取り上げるのは中国映画『雄獅少年(原題)』。こちらは獅子舞を題材とした3DCGアニメーションで、中国の一般的な農村の様子が描かれており、現代を舞台とした作品だ。2022年に中国映画の特集上映にて本作が公開されると、その熱い物語と大興奮のラストによって映画ファンから熱い支持を得た。同じように特別上映から全国公開に結びついた例として『羅小黒戦記 ぼくが選ぶ未来』を思い浮かべるアニメファンもいるだろう。手書きとCGなど、作品のタイプこそ違うものの、大きなうねりを起こすことが想像できる作品だ。

 この他にも2023年公開作品では、テレビシリーズがアニメファンから高い評価を受けた『グリッドマン ユニバース』や、毎年公開するシリーズからは『名探偵コナン 黒鉄の魚影(サブマリン)』も、今年こそ節目の興行収入100億円を達成したい気持ちが製作サイドのみならず、熱いファンも溢れているだろう。そして、まだ年始ゆえに発表されていない作品も数多くあることを考えれば、2023年もアニメ映画から目が離せない。

■公開情報
映画『君たちはどう生きるか』
7月14日(金)全国公開予定
原作・脚本・監督:宮崎駿
製作:スタジオジブリ
配給:東宝
©︎2023 Studio Ghibli

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