『舞いあがれ!』高橋克典はヒロインにとって理想の父親 朝ドラの父娘関係を振り返る
許せないほどダメな父親といえば、ダントツで『おちょやん』(NHK総合)のテルヲ(トータス松本)だろう。酒浸りで、養鶏場の仕事は娘の千代(毎田暖乃)に任せきり。千代を奉公に出し、酒と博打で膨大な借金を作り、借金のカタに千代を売り飛ばそうとしたテルヲ。成長した千代(杉咲花)のもとに現れたときも、まだ借金取りに追われていた。
テルヲは 『おちょやん』に何を残したのか 千代にとって“芝居”が意味するもの
毎朝、泣き笑いの人生劇場を届けてくれる連続テレビ小説『おちょやん』(NHK総合)。先週放送の第15週「うちは幸せになんで」では、…
それに対して、『おかえりモネ』(NHK総合)の耕治(内野聖陽)と百音(清原果耶)、『ちむどんどん』(NHK総合)の賢三(大森南朋)と暢子(黒島結菜)は、良好な父娘関係だった。特に『ちむどんどん』で、子どもの頃の暢子(稲垣来泉)が賢三から料理を教わり、一緒にそばを作る場面は温かく印象的で、暢子が料理人を目指す出発点となった。
『カムカム』深津絵里の「サニーサイド」は上白石萌音を参考? “神回”の裏側を演出に聞く
ひなた(川栄李奈)と五十嵐(本郷奏多)の突然の別れが描かれた『カムカムエヴリバディ』(NHK総合)第89話を受けて、2人の傷にそ…
そして、『カムカムエヴリバディ』(NHK総合)では、金太(甲本雅裕)と安子(上白石萌音)、稔(松村北斗)とるい(深津絵里)、錠一郎(オダギリジョー)とひなた(川栄李奈)の3組とも、父親が娘を深く愛していたことが強く伝わってきた。稔はるいが生まれる前に他界してしまったが、妻・安子に子どもの名前を託しており、娘の誕生を心から願っていたことが分かった。もしも生きていたら、きっと子煩悩の父親となり、るいを溺愛したに違いない。
このように朝ドラでは、さまざまな父親像が描かれてきたが、『舞いあがれ!』の浩太は、娘にうざがられるようなこともしないし、できる限り娘に心配もかけたくないと思っている、理想の父親像ではないだろうか。どうかすぐに体が回復して、IWAKURAの経営も良い方向に向かってほしいと願うばかりだ。
■放送情報
NHK連続テレビ小説『舞いあがれ!』
総合:午前8:00〜8:15、(再放送)12:45〜13:00
BSプレミアム・BS4K:7:30〜7:45、(再放送)11:00 〜11:15
出演:福原遥、横山裕、高橋克典、永作博美、赤楚衛二、山下美月、目黒蓮、長濱ねる、高杉真宙、山口智充、くわばたりえ、又吉直樹、吉谷彩子、鈴木浩介、高畑淳子ほか
作:桑原亮子、嶋田うれ葉、佃良太
音楽:富貴晴美
主題歌:back number 「アイラブユー」
制作統括:熊野律時、管原浩
プロデューサー:上杉忠嗣
演出:田中正、野田雄介、小谷高義、松木健祐ほか
主なロケ予定地:東大阪市、長崎県五島市、新上五島町ほか
写真提供=NHK