「“新しい貴司”を的確に演じている」 『舞いあがれ!』制作統括も絶賛、赤楚衛二の好演

 『舞いあがれ!』(NHK総合)第12週「翼を休める島」第58話より、舞(福原遥)の幼なじみである貴司(赤楚衛二)が再登場している。

 舞にとってそうであるように、貴司にとっても五島はもう一つの故郷のような場所だ。会社勤めに心が疲れていた貴司は、第7週「パイロットになりたい!」で五島の自然や舞の祖母・祥子(高畑淳子)の言葉に触れ、自分を取り戻していた。それから貴司は「本当の自分のまま、生きていける場所がどこかにある」という思いを胸に、全国のその土地で感じた歌を詠む旅に出かけた。

<トビウオが/飛ぶとき他の/魚は知る/水の外にも/世界があると>

 帯広のブルーサルビアが咲く公園で、舞が柏木(目黒蓮)に詠みあげたのは貴司の短歌。のちに、柏木はその送ってくれた友達が幼なじみの貴司であることを知り、嫉妬心を剥き出しにするが、貴司は至って冷静。どこか余裕すらも感じさせる表情を見せていた。心の弱っていた第7週の頃と比べると芯が強く、そして凛々しく成長している。

 そんな貴司を演じる赤楚衛二の演技について、制作統括の熊野律時は、「繊細さはそのままに、自分の足で歩き感じたものを言葉にしてきたことが自信になっている“新しい貴司”を、赤楚さんには的確に演じていただいています。旅人としてのたくましさも身につけ始めた、新たな魅力を持った貴司になってきているなと感じています」と語る。

 漁港や牧場で働き、みかんの収穫、さらには遺跡発掘のバイトまでをも経験した貴司は、休みを利用して祥子の家に泊まりにやってきていた。舞とは久々の再会。短歌の頭文字に込めた航空学校卒業をお祝いする「お・め・で・と・う」の文字、それが書かれているのは幼い頃の2人を結ぶ紙飛行機だ。一つ屋根の下、舞と貴司の共同生活がスタートしている。ともに祥子の家に宿泊している東京から来た男の子・朝陽(又野暁仁)は、かつての舞や貴司のように生きづらさを抱えた第12週におけるキーマンだ。

「舞と貴司は幼なじみとしてお互いに支え合ってきたところもあるので、朝陽くんのことを気にかけて一緒に何かしてあげられないかなと動き出します。朝陽くんにとって生きづらさや心のつらい部分をちゃんと共有できる相手であると。絶妙な距離感で大事なものを共有している2人がいいですよね」

 サンフランシスコに語学留学へ行っている柏木の一方で、五島で舞とさらに距離を縮めているようにも思える貴司。幼なじみの絆が恋愛へと発展していく、ということも考えられなくはない。

■放送情報
NHK連続テレビ小説『舞いあがれ!』
総合:午前8:00〜8:15、(再放送)12:45〜13:00
BSプレミアム・BS4K:7:30〜7:45、(再放送)11:00 〜11:15
出演:福原遥、横山裕、高橋克典、永作博美、赤楚衛二、山下美月、目黒蓮、長濱ねる、高杉真宙、山口智充、くわばたりえ、又吉直樹、吉谷彩子、鈴木浩介、高畑淳子ほか
作:桑原亮子、嶋田うれ葉、佃良太
音楽:富貴晴美
主題歌:back number 「アイラブユー」
制作統括:熊野律時、管原浩
プロデューサー:上杉忠嗣
演出:田中正、野田雄介、小谷高義、松木健祐ほか
主なロケ予定地:東大阪市、長崎県五島市、新上五島町ほか
写真提供=NHK

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