『還魂2』愛する人の死を受け入れる? イ・ジェウクの影に光を照らす存在

 愛する人を安らかに眠らせてあげたい。チャン・ウク(イ・ジェウク)はこれで本当のお別れができるのだろうか。『還魂:光と影』(Netflixで配信中)の第3話と第4話ではシーズン1でのエピソードが重ねられ、これまで見守ってきた視聴者にとっても切なく胸の痛む回となった。

 ウクの目的はチン・ブヨン(コ・ユンジョン)の神力で「氷の石」を取り出してもらうことで、ブヨンは自由の身になること。利害が一致して結ばれた婚姻関係だ。ウクの手に触れるとわずかな力を取り戻していたブヨンは、記憶についてはナクスの剣や陰陽石に触れると断片的に見えてくるらしい。ブヨンはナクスの魂であることからムドク(ナクス)の記憶で間違いないのだが、それを知らない2人はブヨンが記憶を取り戻したのではく、物に宿った記憶が見えるのだと思い込んでしまう。

 ウクが陰陽石を持っているのは「ムドク(ナクス)が死んだと確認するため」で、積み上げられた石は「生きているかもしれない」との願いだった。受け入れられないためにこの狭間を行ったり来たりしていたのだろう。しかし総帥パク・ジン(ユ・ジュンサン)の言う通り、運命は選ぶものであり、自分で確かめることが必要なのである。それはムドク(ナクス)の最期の場所となった敬天大湖に未だ行けずにいるウクへのメッセージにも聞こえた。

 一方、天附官の副官主チン・ム(チョ・ジェユン)がなぜ鎮妖院を欲しがるのか、彼らの目的がはっきりした。第一の理由は「氷の石」を手に入れるため。ウクの中に存在する「氷の石」を取り出すのが不可能となれば、新しいものを得るしかない。その方法は王妃(シム・ソヨン)が度々口にしていた“敬天大祭”である。200年前、テホ国は干ばつに見舞われ、初代鎮妖院長のチン・ソルランが敬天大祭で「氷の石」を呼び寄せた。つまり「氷の石」を得るためには鎮妖院の妖器が必須なのである。ただ深刻な干ばつが起きないと敬天大祭が開かれない。要するにこの3年間、テホ国の水の気が減っていたのは意図的だったと言えるのだ。イ・チョル先生(イム・チョルス)が回収した水を枯らせる妖器のようなものがその証拠だろう。チン・ムは還魂術でこの世を支配し、王妃は還魂術で美しい体を取り戻し、ソ・ユノ(ト・サンウ)は最強の後ろ盾を手に入れる。そのためにウクからブヨンを引き離さなければならないわけだ。

関連記事