『舞いあがれ!』『silent』『月の満ち欠け』 目黒蓮が告白シーンで見せるバリエーション

 ヒロイン・舞(福原遥)と柏木(目黒蓮)が結ばれた連続テレビ小説『舞いあがれ!』(NHK総合)第11週。真っ暗な食堂のテーブル下に隠れながら、守衛が通り過ぎるのを2人して待つハプニング明けに舞の腕を掴んで「岩倉。俺、お前のことが好きだ」と抑え切れなくなった想いをぶつける柏木の告白には、小手先ではない計算のなさが滲む。

 「俺は、自分のダメなところを見せるのは恥ずかしいと思ってた。でも、岩倉と一緒にいると不思議と素直になれるんだ。これからもっと岩倉のことを知りたい。それにもし、もし、同じ気持ちでいてくれたらうれしい」と自身の気持ちを真っ直ぐに伝えた柏木。舞からの気持ちに確証がない中でも、これ以上ないシチュエーションでずっと温めてきた想いが溢れ出して抑え切れなくなったのか、ソロフライト直前という絶妙なタイミングでの告白にも、彼の不器用さが伝わってくる。タイミングを見計らう余裕もないほどに舞のことになると冷静さを欠く柏木の一直線な一面がよく表れていた。

 ソロフライト後、2人で出掛けた先で伝えた「岩倉が好きだ」には、舞のことを好きになれた自分のこともより頼もしく思えているような自信が宿り、彼のスッキリとした表情からは舞と一緒にいる自分自身を心から楽しめているような印象も受けた。

Snow Man 目黒蓮、“気持ちを作ること”との向き合い方 「ずっと感情を考え続ける」

全国公開中の映画『月の満ち欠け』に出演しているSnow Manの目黒蓮。現在放送中のドラマ『silent』(フジテレビ系)や、連…

 同じくとにかく相手の気持ち如何にかかわらず、自身の気持ちをぶつける目黒の告白シーンが観られるのが映画『月の満ち欠け』での三角哲彦役だ。許されぬ恋だと分かりながらも惹かれていく既婚者の瑠璃(有村架純)に、自分が立ち入ることのできないゾーンがあることがもどかしく、なんとかその埋まらぬ距離を縮めようと必死で自身の想いを、本気さを言動で示そうとする。

 「僕ならあなたが行きたいところにどこでも連れて行けます」「あなたをずっと待っています。何日でも何年でもあなたが来るまで」というような、ともすれば歯が浮くように感じられてしまいかねない言葉も、目黒演じる三角の口から放たれると、もっと切実な祈りと、なんとか運命に抗おうとするひたむきさや無骨さが込められる。思わず信じてみたくなる希望が灯り、手を引かれる方へ一緒に走り出したくなる危うさと、それ以上の無敵感や安心感も感じられた。

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