『クロサギ』最終決戦に向けて万全の体制を整える平野紫耀 連れ去られた黒島結菜の行方

 所得税法違反の容疑で逮捕、連行される黒崎(平野紫耀)。これは当然宝条(佐々木蔵之介)の差し金によるもので、銀行関係者にしか作ることができないでっち上げの通帳が証拠として突きつけられる。しかし即座に桂木(三浦友和)が裏で操作し、黒崎は釈放される。12月16日に放送された『クロサギ』(TBS系)第9話で黒崎は、宝条を喰う“最終対決”に備えて余念なく準備を進めていく。それは同時に、彼を“クロサギ”として育て上げた桂木との訣別と、その先に“喰い合い”が待ち受けていることを意味している。

 「宝条と組んでる限り、命令は聞けない」と桂木に言い放った黒崎は、氷柱(黒島結菜)と食事に行った翌日、荷物を抱えて部屋を出ていく。それから2週間が経ち、神志名(井之脇海)らと共に宝条を追っている金融庁の日下(山田キヌヲ)の家にふらりと現れる黒崎。その頃、議員の蒲生(秋山菜津子)の新党結成の軍資金として100億円を集めることを約束する宝条は、ダミー会社を作り海外ファンドを当たる。ひまわり銀行のバックアップがあることをちらつかせ、たどり着いたのはStone Partnersという会社。実はここは、黒崎がシンガポールまで出向いて仕込んだ会社だったのだ。

 すべてを投げ打ってまで家族の仇である宝条を喰うことを心に誓う黒崎。蒲生に不正献金の疑惑が向くよう仕向け、新党結成を焦らせ、彼女が宝条を頼ることを読み切る。さらに宝条が資金集めのために海外ファンドに手を出すことも見抜き、わざわざシンガポールで会社を買収。競合となりそうな海外ファンドにひまわり銀行の悪い噂を流すという徹底ぶり。すべての集大成となる大勝負に向けて抜かりなく、先の先を見据えて徹底的に準備を進め、宝条を罠にかける万全の体制を整えるのである。

 そう考えるとStone Partnersの現地の社員を装って、わざわざ特殊メイクまで施して宝条に直接会いにいくというのはずいぶんと危険な賭けだ。すでに黒崎の存在を著しいまでに警戒している宝条とその周辺の関係者たち。それでもいままで通り、たとえそれが復讐という大きな目的の遂行であっても自らの手で直接相手を騙して喰らう。黒崎の“クロサギ”としてのプライドのようなものがそこには見える。

 最終回前のエピソードとあって、終盤は畳み掛けるようにしてさまざまな急展開が訪れた。日下がこれまで集めてきたという証拠をもらうため、彼女のマンションへと向かった黒崎が見たのは、マンションの廊下から転落した日下の姿。しかも階上を見れば、そこには早瀬(中村ゆり)がおり、それは桂木が口封じを図ったことを物語っている。また、何者かに監視される黒崎のアパートに、黒崎の目の前で連れ去られてしまう氷柱。

 そして展開面もさることながら、黒崎への処刑宣告をする桂木に対し、黒崎を逮捕して塀の中に閉じ込めることで守ると宣言する桃山(宇野祥平)と、蒲生の秘書で忠誠心が取り柄の浦川(細田善彦)。このふたりは何か最終回でやってくれそうな気がしてならない。

■放送情報
金曜ドラマ『クロサギ』
TBS系にて、毎週金曜22:00〜22:54放送
出演:平野紫耀(King & Prince)、黒島結菜、中村ゆり、山本耕史、佐々木蔵之介、船越英一郎(特別出演)、三浦友和
原作:黒丸、夏原武(原案)『クロサギ』シリーズ(小学館刊)
脚本:篠﨑絵里子
プロデューサー:武田梓、那須田淳
演出:田中健太、石井康晴、平野俊一
製作著作:TBS
©︎TBS
公式サイト:https://www.tbs.co.jp/kurosagi_tbs/

関連記事