高梨臨が常に考える“何を求められているのか” 『PICU』で安田顕と作り上げる関係性

何を求められているのかを考える

――先ほど、羽生とご自身の違いについてお話がありましたが、共通する部分はありますか?

高梨:自分の言いたいことを言っちゃうところは似ていますけど、羽生さんの方が素晴らしい人だと思います(笑)。ただ、私も明るい人間なので「みんながうまくいけばいいな」と思っていたり、「この人、大丈夫かな?」と思いながら周りを見ているようなところは共通しているのかなと思います。

――「自分の言いたいことを言う」とのことですが、ふだんコミュニケーションを取る上で大切にしていることを教えてください。

高梨:相手が何を求めているのかを察知することかな、と自分では思っています。私は本当にズバズバものを言うので、友達に相談されることが多いんですけど、まずは相談してくる友達が「何を求めてるのか」を考えますね。ただ話を聞いてほしいだけなんだろうなと思ったら「うんうん」と話を聞くし、「こうしたほうがいい」と言ってほしいんだろうなと思ったら自分の考えを伝えるし。本人がどうしたいのかを探っていくことが多いです。

――いつから、そのあたりを大切に?

高梨:年齢とともに……ですかね(笑)。でも、私は役者という仕事をする上で「何を求められてるんだろう」と気にするタイプなんですよ。たとえばPICUの中で、羽生はムードメーカーとしてどんな立ち位置に行くことがこの作品で求められているんだろう、と。そういったことを常に考えちゃう人間なので、長年続けたことが染み付いちゃったのかもしれないですね(笑)。

全然掴めない安田顕

――本格的な医療ドラマに初出演ということで、印象的だった撮影エピソードはありますか?

高梨:医療シーンの撮影で、最初に代役の方がやり方を見せてくれて、その後に私たちがやる、という流れに驚きました。全体の感想としては、ほぼほぼセットにいるなと思います(笑)。PICUのセットとしこちゃん先生の家が隣にあるので、PICUから出るときには毎回しこちゃん先生の家の前を通っています(笑)。

――(笑)。ふだんの吉沢さんの印象はいかがですか?

高梨:感情が昂ぶるシーンもたくさんある中で、本当にフラットな方だと思いますね。テストから真剣にやられるタイプの方に見えるんですけど、前室では普通に過ごしているので、切り替えられる方なんだなと勝手に思っています。

――現場の雰囲気はいかがですか?

高梨:よく甲本(雅裕)さんや正名(僕蔵)さんと喋っていて、「居酒屋のテーブル席で、前の人がめっちゃ足を伸ばしてたらどうする?」とか、本当にどうでもいい話をしています(笑)。

――緊迫するシーンが多い中、ギャップがすごいですね(笑)。

高梨:そのときも、しこちゃん先生と綿貫先生(木村文乃)が泣かなきゃいけないシーンだったのに、甲本さんがずっとその話をしていて(笑)。「大丈夫かな」と思ったけど、2人とも「はははは~」と笑っていて、そこからパッと切り替わるんです。すごいなと思いましたし、すごくいいシーンになったと思います。

――羽生は先輩としての一面も見える役柄ですが、高梨さんご自身にも後輩が増えてきたかなと思います。

高梨:私は2人姉妹の妹で、プライベートでも“下”でいることが多かったので、現場のスタッフさんに年下が増えたことに「歳取ったわ」と思います(笑)。先輩になったから、ということではないですけど、若い頃より真面目になりましたね。20代の頃はとにかく一生懸命だったけど、自分のことばかり考えていたというか。歳を重ねて、仕事に対して丁寧に向き合えるようになったかなと思います。

――俯瞰で見られるようになった感じでしょうか。

高梨:そうですね。当時も時間に余裕がなかったわけではないので、人生経験が増えた、ということかもしれません(笑)。以前は感情的に、感覚的に考えていたものが、ちょっと細かく頭で考えるようになったのかなと。それがいいとは限らないですけどね。

――そんな高梨さんが思う“いい上司像”についても聞かせてください。

高梨:いい上司……でも、安田さんは本当に素敵な先輩だと思います。まだ謎ばかりですけど、すごく真面目なんですよ。真面目なのに、急にそのテンションでふざけたことを言うんです(笑)。だから全然掴めないけど、言葉の説得力は半端ないですし、厳しさの中に愛情深さを感じます。私には役と安田さん自身がリンクして見えちゃうのかもしれないですけど、理想的な上司ですし、嫌われたくない上司でもありますね。

――ありがとうございます。最後に、第5話の見どころをお願いします。

高梨:命と向き合う者として、私たちPICUチームには「救える命を救いたい」という気持ちがあります。その中でも第5話は、“生きること”に対する問いかけが描かれています。ここから後半に向けて物語が動き出すので、楽しみにしていただけたらと思います。

■放送情報
『PICU 小児集中治療室』
フジテレビ系にて、毎週月曜21:00~21:54放送
出演:吉沢亮、木村文乃、安田顕、生田絵梨花、高杉真宙、菅野莉央、甲本雅裕、中尾明慶、高梨臨、菊地凛子、正名僕蔵、松尾諭、大竹しのぶほか
脚本:倉光泰子
演出:平野眞
プロデュース:金城綾香
医療監修:浮山越史(杏林大学病院)、渡邉佳子(杏林大学病院)
主題歌:中島みゆき「俱に」(ヤマハミュージックコミュニケーションズ)
音楽:眞鍋昭大
©︎フジテレビ
公式サイト:https://www.fujitv.co.jp/PICU/
公式Twitter:@PICU_cx
公式Instagram:@picu_cx

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