『ゴールデンスプーン』“テヨンとスンチョン”、選択の行方は? ソン・ウヒョンにも熱視線

 テヨンはスンチョンが2度の食事を済ませたことを知り、すり替えたスプーンで3度目の食事を目の前でさせるべく、スンチョンを食事に招く。スンチョンは元の自分に戻るためにスプーンを手にし、口に運ぼうとするが、自分を愛してくれている家族とこれまでのスンチョンとしての思い出がフラッシュバックし葛藤する。偽のスプーンでスンチョンが親を捨てるところが見たいテヨン。本当の自分に戻りたい気持ちと、自分に優しい愛情を注いでくれる家族との間で相反するスンチョンのアンビバレントな心の動きを繊細な演技で表現するイ・ジョンウォン。緊迫した食事シーンでドキドキハラハラするシチュエーションだ。

 スンチョンは食事をすることを止めて、イ・スンチョンとして生きることを選び去っていく。スンチョンの選択で動揺したテヨンとスンチョンの争いはどちらにも感情移入し、固唾を呑んで行方を見守る気持ちにさせられる。テヨンは、金のために親を捨てた負い目を背負い続けており、自分と同じ貧困を体験したスンチョンの選択を、意地悪な気持ちと自分を正当化する気持ちで見ている。「スンチョンも金持ちを選択して負い目を軽くしてくれるはずである」そう思うテヨンの目前で、スンチョンはスプーンを盗みすり替えたテヨンとは大違いの高貴な人格を見せる。入れ替わらずに去ろうとするスンチョンの姿を見て感情を爆発させるテヨン。

 一方のスンチョンも、目の前にある大豪邸に住む本当の自分に戻りたい気持ちを振り払うかのように出て行こうとする。テヨンに引き止められ、スンチョンは渦巻く感情を爆発させ、「世界一好きな母さんと、世界一好きな父さんを失いたくないからだ! あんないい親よりファン・テヨンがいいか? ならファン・テヨンでいろ。俺はイ・スンチョンで生きる」と帰っていく。

 ストーリーがシリアスで緊迫した分、コメディ部分も増え、ソンジェの料理シーンというご褒美のようなシーンもあり、エプロン男子を拝むことができボルテージも上がった。テヨンとスンチョンの誕生日を迎えた日に集まったテヨン、スンチョン、ヒョンド、イ・チョル(チェ・デチョル)の関係にも謎があるような展開になってきた。謎が明かされるときに本作が訴えかけるものを楽しみにしている。

■配信情報
『ゴールデンスプーン 』(全16話)
ディズニープラスにて、毎週金曜・土曜に配信
原作:NAVERウェブトゥーン漫画『金のさじ』
企画:ホン・ソク(MBC)
脚本:キム・ウニ、ユン・ウンギョン
演出:ソン・ヒョヌク、イ・ハンジュン
出演者:ユク・ソンジェ、イ・ジョンウォン、チョン・チェヨン、ヨンウ
プロデューサー:キム・ボミ
(写真はMBC公式サイトより)

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