『グリッチ -青い閃光の記憶-』で暴かれる宇宙人の謎 チョン・ヨビン×ナナの友情も

 一方でボラは、中学生の時から30歳になる今まで、UFOや宇宙人に興味を持ち続けており、ジヒョが宇宙人を探索していた方法を使って謎を明らかにしようとする。探究心が強く、何でも行動に移すボラだが、ジヒョが混乱して無謀なことをしようとしても冷静さを与えてくれる一面もある。ジヒョのソウルメイトである同僚のセヒ(チェ・スイム)も、ジヒョが隠している秘密を知ろうと、ビョンジョと協力して事件の真相を嗅ぎ回る。しかし、ジヒョの本当のソウルメイトは、宇宙人の話も馬鹿にせず聞いて、真相を突き詰めようとしてくれる、ボラであったと言えるだろう。この物語は、宇宙人とカルト教団のミステリーではなく、女の友情にもスポットライトが当たっている。

 宇宙人を見たと考えていたジヒョは、家族にも劣等感を感じ、恋人にも愛情をもう持つことができていない状況にあった。精神科に通うシーンもあり、視聴者には彼女は幻想を見ていたのだと感じさせている。

 しかし、その宇宙人を本物のように見せられている視聴者としては、ただの幻想と捉えるのには辻褄が合わない点も出てくる。シグクを導いた青い光は一体なんなのか、ジヒョが中学生の時に遭遇した光と同じなのだろうか。きっと、宇宙人は存在する。しかしその存在にすがったカルト教団や、宇宙人を利用しようとした人間の思考はとても恐ろしく残酷だ。『グリッチ -青い閃光の記憶-』は、宇宙人の存在と同じく少しの謎を残し、視聴者に想像の余地を与えてくれた。

■配信情報
『グリッチ -青い閃光の記憶-』
Netflixにて配信中

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