『夜を越える旅』公開記念舞台挨拶に髙橋佳成、中村祐美子、桜木洋平、萱野孝幸監督登壇
映画『夜を越える旅』の公開記念舞台挨拶が10月21日に東京・新宿武蔵野館にて行われ、髙橋佳成、中村祐美子、桜木洋平、萱野孝幸監督が登壇した。
本作は、九州・佐賀県を舞台にした和やかな雰囲気で進む旅行の風景が、主人公・春利(髙橋佳成)のかつての想い人・小夜(中村祐美子)の登場で一変するロードムービー。漫画家志望の春利は、大学を卒業しても夢を諦めきれず、同棲中の恋人の半ばヒモ状態。そんな後ろめたさから逃げ出すように、学生時代の友人たちと1泊2日の旅行に出かけるのだが、その最中、応募していた漫画賞の結果が落選だったことを知り自暴自棄になってしまう。そこへ、かつて思いを寄せていた小夜が遅れて合流してくるのだが、春利の微かな高揚感と淡い下心とは裏腹に、自体は思いも寄らない阿鼻叫喚の地獄へと転がり始めていく……。
漫画家志望で大学を卒業しても夢を諦めきれず、同棲中の恋人の半ばヒモ状態の主人公・春利を演じた髙橋。自身にとっての初主演映画でもある。「ロケ地・佐賀県の先行上映の際もドキドキしたけれど、そのドキドキが今再び緊張となって降りかかってきています。それだけ思い入れのある大好きで素晴らしい作品」と自画自賛。作品については「細かい伏線が張ってあるので、何度も観てかみ砕いて深いという感覚になる映画です」と紹介した。
春利のかつての想い人・小夜を演じた中村は「撮影は2年前の今の時期。コロナ禍だったこともあり、打ち合わせはすべてリモート。現場に入って皆さんに初めてお会いして思ったのは、みんな若い! ということ。監督も私の一個下!? とビックリしました」と笑わせた。
春利の大学時代のゼミの同期・筒田治を演じた桜木は「監督はやわらかい雰囲気の方で何でも相談できるような空気がありました。丁寧な現場で、時間をかけて作ってくれたような印象があります」と振り返った。
萱野監督は「2年前に九州でロケをして編集作業も福岡の自宅で行いました。それが今ここで上映ができるなんて不思議であり嬉しく、皆さんにどんな風に観てもらえるのか恐ろしくもあり、楽しみでもあります」と念願の封切りに感激していた。
佐賀県でロケを敢行。髙橋は「温泉地以外にも魅力のある県で、街も住みやすそうだった。家族で住んだら楽しいだろうなとついついパパ目線で見てしまいました」とすっかりお気に入り。佐賀県初訪問という中村は「温泉に入っていたら地元のおばあちゃんに声をかけられました。気遣ってくれる温かさが嬉しかったです」と温かい県民性に感動。桜木も初佐賀県で「自然が豊かで毎日が小旅行気分。楽しかったです」と旅行感覚を味わったようだった。
撮影について「盆地は寒くて、夜のシーンは凍えました」と萱野監督が振り返ると、髙橋も「佐賀県の秋の山奥は寒い。軽装で行ってしまって、すぐに防寒用の下着などを買いに行きました」と予想外の寒さにビックリ。一方、本格的演技の中村は萱野監督のこだわりの演出について「今までラジオのお仕事やモデルのお仕事を主にやっていて、本格的に映画のお仕事に入らせて頂いたのが初めてで、1つのシーンを作り出すのに何度もリテイクを繰り返すその多さに驚きました」と裏話を披露した。
萱野監督と何度もタッグを組んでいる髙橋から「萱野監督はリテイクが多いのが普通」などと教わったそうで、中村は「大変でしたが、役者としての喝を入れてもらった気がして、思い入れの深い作品になりました」としみじみ。ただリテイクに慣れてしまったことから「逆に一発OKだと、本当に大丈夫だったのかなと不安になった」と笑わせた。
最後に主演の髙橋は「自分にとって初主演の映画で思い入れのある作品。この映画を皆さんに届けることができる嬉しさが先行しています。一度ならず何度も観ていただき、色々な考察や感想をSNSで広げてください!」と口コミ大ヒットを期待。萱野監督も「予測不能なロードムービーなので、楽な気持ちで楽しんでいただけると嬉しいです」とアピールしていた。
■公開情報
『夜を越える旅』
新宿武蔵野館ほかにて公開中
出演:髙橋佳成、中村祐美子、青山貴史、AYAKA、桜木洋平、井崎藍子、荒木民雄
監督・脚本・編集:萱野孝幸
撮影監督:宗大介
音響監督:地福聖二
漫画作画:SHiNPEi a.k.a. Peco
音楽:松下雅史
制作:夏目
プロデューサー:相川満寿美
配給:アルファープロデュース、クロックワークス
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