『アムステルダム』なぜ北米で大苦戦? 『Smile』は『ゲット・アウト』以来の快挙

 そのほか今週は、4週目の『The Woman King(原題)』が第4位と粘り強い推移を見せているほか、第6位の『アバター:ジェームズ・キャメロン 3Dリマスター』も再上映ながら驚くべき興行を継続中。今回の公開で世界興収7191万ドルを記録しており、12月公開の続編『アバター:ウェイ・オブ・ウォーター』への期待は高まる一方だ。なお『ブレット・トレイン』、『DC がんばれ!スーパーペット』がトップ10圏外に落ちた中、おなじみ『トップガン マーヴェリック』は公開20週目で第10位をキープ。いったいどこまで飛び続けるのか。

 第18位には、第75回カンヌ国際映画祭でパルムドールに輝いた『Triangle of Sadness(原題)』が初登場。また第20位には、トッド・フィールド監督&ケイト・ブランシェット主演『Tár(原題)』(2023年日本公開)が同じく初登場となった。前者は10館で21万ドル、後者はわずか4館で16万ドルという注目度の高さで、今後の拡大公開に向けて弾みをつけた形だ。

 『Triangle of Sadness』は、『ザ・スクエア 思いやりの聖域』(2017年)のリューベン・オストルンド監督による最新作で、豪華客船で思わぬアクシデントが連鎖していく“富と階級”の風刺コメディ。『Tár』はキャンセル・カルチャーにおける女性指揮者の葛藤を描いた一作だから、どちらも社会に対する鋭い視点が見どころだ。日本の観客にも早く届けられることを祈りたい。

北米映画興行ランキング(10月7日〜10月9日)

1.『Smile(原題)』
1760万ドル/3659館/累計4989万ドル/2週/パラマウント

2.『Lyle, Lyle, Crocodile(原題)』
1150万ドル/4350館/累計1150万ドル/1週/ソニー

3.『アムステルダム』
650万ドル/3005館/累計650万ドル/1週/20世紀スタジオ

4.『The Woman King(原題)』
530万ドル/3342館/累計5412万ドル/4週/ソニー

5.『ドント・ウォーリー・ダーリン』
347万ドル/3324館/累計3845万ドル/3週/ワーナー

6.『アバター:ジェームズ・キャメロン 3Dリマスター』
256万ドル/2040館/累計2331万ドル/3週/20世紀スタジオ

7.『Barbarian(原題)』
218万ドル/2160館/累計3653万ドル/5週/20世紀スタジオ

8.『Bros(原題)』
215万ドル/3356館/累計889万ドル/2週/ユニバーサル

9.『Terrifier 2(原題)』
82万ドル/886館/累計122万ドル/1週/Cinedigm Entertainment

10.『トップガン マーヴェリック』
80万ドル/1127館/累計7億1467万ドル/20週/パラマウント

(※Box Office Mojo調べ。データは10月10日未明時点の速報値であり、最終確定の数値とは誤差が生じることがあります)

参照

https://www.boxofficemojo.com/weekend/2022W40/
https://www.hollywoodreporter.com/movies/movie-news/smile-box-office-amsterdam-lyle-lyle-crocodile-1235236211/
https://variety.com/2022/film/box-office/box-office-amsterdam-flops-smile-beats-lyle-lyle-crocodile-1235397224/
https://deadline.com/2022/10/box-office-lyle-lyle-crocodile-amsterdam-margot-robbie-1235138175/

■公開情報
『アムステルダム』
10月28日(金)全国公開
出演:クリスチャン・ベール、マーゴット・ロビー、ジョン・デヴィッド・ワシントン、ラミ・マレック、ロバート・デ・ニーロ
監督・脚本:デヴィッド・O・ラッセル
製作:アーノン・ミルチャン、クリスチャン・ベールほか
撮影監督:エマニュエル・ルベツキ
編集:ジェイ・キャシディ
配給:ウォルト・ディズニー・ジャパン
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