香港発の青春群像劇『少年たちの時代革命』、 ドキュメンタリー映画『理大囲城』連続公開へ
香港映画『少年たちの時代革命』が12月上旬より、『理大囲城』が12月下旬より、ポレポレ東中野にて2作連続公開されることが決定した。
『少年たちの時代革命』は、今の香港を生きる若者たちの青春群像劇。監督は、本作がデビュー作となるレックス・レンとラム・サムが務めた。デモ現場でのゲリラ撮影など、レン監督が師事したフルーツ・チャン監督の『メイド・イン・ホンコン』を彷彿とさせるドキュメンタリータッチな作品に仕上がっている。
『理大囲城』は、香港理工大学が警察に封鎖され、要塞と化した13日間を追ったドキュメンタリー映画。監督は全員匿名、出演者の表情にはモザイク処理が施され、香港では上映禁止となった。2019年の香港民主化デモの中で起きた香港理工大学包囲事件。匿名の監督「香港ドキュメンタリー映画工作者」たちは、デモ参加者として大学構内でカメラをまわし続けた。
香港国家安全維持法施行により映画への検閲、規制も厳しくなり、香港の言論と表現の自由が狭まってきている一方、香港で上映禁止となった作品は、海外映画祭で上映されてきた。2021年カンヌ国際映画祭、東京フィルメックスにてサプライズ上映された『時代革命』、山形国際ドキュメンタリー映画祭で最高賞となるロバート&フランシス・フラハティ賞を受賞した『理大囲城』、2022年ロッテルダム国際映画祭にて『Blue Island 憂鬱之島』が上映されるなど、現在の香港を描いたドキュメンタリー映画が国際的に注目を集めている。
さらに、『少年たちの時代革命』は台湾アカデミー賞を席捲したのを皮切りに、台湾で劇場公開され、6月に日本で開催された2日間限定緊急上映会のチケットは即日完売となった。
コメント
レックス・レン(『少年たちの時代革命』監督)
『少年たちの時代革命』の上映が世界一周して、やっと谷崎潤一郎の『少年』と大島渚の『少年』の国、日本にたどり着いた。なぜ「少年」が絶えず、どんな時代でも創作の原動力になり得るのか? 香港からやって来た「少年」が、大きな人生の波を乗り越えても少年の心を持ち続けるあなたに、2019年の香港のエネルギーを届けてくれるだろう。たとえ結果が出なくても、私たちは諦めない。
ラム・サム(『少年たちの時代革命』監督)
映画『少年たちの時代革命』を発表してからおよそ1年経った。今でも香港では上映禁止だが、台湾、ヨーロッパ、オーストラリアなどで上映されてきた。そして今回、日本で劇場公開が決まったことは、この映画に関わってきたチーム、いまなお悲観的な状況に置かれている香港人にとって、大きな励みになるに違いない。2019年に民主化デモが始まってから、日本人はいつも香港に関心を寄せてくれた。3年後の今日、『少年たちの時代革命』の劇場公開によって、再び日本、さらに世界中の自由を愛する人々と繋がり、力を分かち合うことができたら幸いです。ありがとうございます!
香港ドキュメンタリー映画工作者(『理大囲城』監督)
映画『理大囲城』が劇場公開されることは、我々にとって大変意義があることです。自由への切望が、我々を繋ぎ合わせることができると期待してやみません。『理大囲城』を観て下さる全ての人に、深く感謝致します。
■公開情報
『少年たちの時代革命』
12月上旬より、ポレポレ東中野ほか全国ロードショー
出演:ユー・ジーウィン、レイ・プイイー、スン・クワントー、マヤ・ツァン、トン・カーファイ、アイビー・パン、ホー・ワイワー、スン・ツェン、マック・ウィンサム
監督:レックス・レン、ラム・サム
プロデューサー:伍珍珍、陳力行、任侠
撮影:ming 田中十一 陳家信
編集:L2、任侠
音楽:Aki
配給:Cinema Drifters・大福
宣伝:大福
2021/香港/カラー/DCP/ステレオ/86分
©Animal Farm Production
公式サイト:www.ridai-shonen.com
『理大囲城』
12月下旬より、ポレポレ東中野ほか全国ロードショー
監督:香港ドキュメンタリー映画工作者
配給:Cinema Drifters・大福
宣伝:大福
2021/香港/カラー/DCP/ステレオ/88分
©Hong Kong Documentary Filmmakers
公式サイト:www.ridai-shonen.com