キム・ゴウンの泣き笑いに感情移入する 『シスターズ』“三姉妹”が好演の韓ドラ3選

 この秋最大の注目作といえば、『シスターズ』だろう。脚本は、映画『お嬢さん』や日本のリメイクドラマ『マザー~無償の愛~』を手がけたチョン・ソギョン作、演出は、『ヴィンチェンツォ』、『王になった男』などでダイナミックな演出を披露してきた、キム・ヒウォン監督が手がける一作なだけに期待値はMAXだったが、第1、第2話を観ただけでも、「これは絶対面白い」と確信してしまう一作だ。

 やはり一際光を放っているのは、劇中で三姉妹を演じているキム・ゴウン×ナム・ジヒョン×パク・ジフという実力派女優たちだ。ここでは彼女たちの演技を堪能できる、おすすめの出演作を紹介したい。

キム・ゴウンのリアルな“生活密着型演技”が光る『ユミの細胞たち』シリーズ

『ユミの細胞たち2』(写真はCJ ENM公式サイトより)

 お金で家族を守りたい三姉妹の長女オ・インジュ役を演じるのは、『トッケビ〜君がくれた愛しい日々〜』、『ザ・キング:永遠の君主』などで圧倒的演技力を披露してきたキム・ゴウンだ。彼女の演技力を再度証明した作品が、今年韓国でシーズン2が配信され、「歴代最高のロマンス」と好評を得た『ユミの細胞たち』シリーズだろう。OTT(動画配信サービス)コンテンツを対象にした韓国初の授賞式「第1回青龍シリーズアワード」では、女性主演賞を受賞した。

 大失恋の経験から、しばらく恋愛はご無沙汰だった平凡な会社員のユミ(キム・ゴウン)が、会社の後輩から紹介されたク・ウン(アン・ボヒョン)と出会い、恋愛し、感情を少しずつ取り戻していくシーズン1に続き、シーズン2では登場した職場のイケメン、ユ・バビ(GOT7 ジニョン)とドキドキのロマンスが展開していく。ユミの恋愛相手である男主人公は変わるが、元カレであるウンも登場するため、ラストまでユミがどんな選択をするのか、誰と結ばれるのかわからないのが斬新だ。また、シーズン2ではユミの新しい恋愛物語だけでなく、新たな夢に向けて挑戦するユミと細胞の話も描かれる。

 やはり本作にどっぷりハマってしまう理由は、ユミの頭の中の理性、感性、空腹、そして愛などを調節する細胞たちがアニメキャラクターで表現されるため、普通のドラマでは見逃しがちな人物の感情を丁寧に捉えていることだろう。シーズン2ではキスシーン時の“舌細胞”、ベッドシーンを表現した“右手細胞”など、さらにパワーアップした新たな細胞が登場し、彼女のロマンスをより豊かにしてくれる。新たなことに対する挑戦、キャリア、結婚という誰もが直面する悩みが描かれると同時に、恋愛と失恋を経験する中での「価値観の変化」が描かれているのも妙にリアルだった。

 ユミがどんな選択をしても、身を乗り出して彼女を応援してしまうのは、やはりキム・ゴウンの演技が大きい。彼女のリアルな“生活密着型演技”と、些細な感情変化も逃さず表現した演技のおかげで、ユミの挑戦と失敗に、一緒に泣いて笑って思いっきり感情移入してしまう。どんな時も自分の「幸せ」と向き合うユミの姿に共感せずにはいられないと同時に、バビとの鬼キュンロマンスに、眠っていた恋愛細胞が生き返るはずだ。

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