『赤いナースコール』病院内の複雑な相関図が明かされていく 旧館に潜む殺人犯の正体は?

 『赤いナースコール』(テレビ東京系)第9話は、犠牲者が続出する凄惨な放送回となった。

 刑事の工藤(池田鉄洋)がトラック運転手の宇多川(長野克弘)に刺される。犯人を捜索するため榎木田記念病院に踏み込んだ警察は、使われなくなった旧館で異様な光景を目撃する。血しぶきを浴びたベッドとカーテン。唐突にラジオ体操のテーマが流れ出し、サルのぬいぐるみがシンバルを打ち鳴らす。手術室には、ホルマリン漬けになった宇多川の遺体と、かたわらには「全て私がやりました」と遺書代わりのメモがあった。

 謎が錯綜する『赤いナースコール』。もつれた糸がほどけないのは、登場人物の関係性が見えづらいことと、明かされていない事実があるためだ。第9話では新たな事実が発覚し、一定の前進が見られた。

 313号室の津田(山本浩司)は、第8話で、病院広報の遠山(岩本淳)に監視カメラの映像を入手するよう要求していたが、裏で看護師の山根(ベッキー)とつながっていた。院長の榎木田(鹿賀丈史)と元妻である西垣(浅田美代子)の会話から、西垣が21歳になった45年前に重大な出来事があったと推察できる。西垣が21歳を自称し、病院に潜入している理由はそのことに関係があるという。

 また、榎木田に対する妻・玲子(渡辺真起子)の反応から、玲子と石原(板尾創路)は互いを知っていて、榎木田は石原を嫌っていることがわかる。さらに、313号室の後藤田(森田甘路)は、アリサ(福本莉子)に翔太朗(佐藤勝利)が榎木田と談笑していたことを知らせる。2人が旧知の仲だとすると、翔太朗が病院の秘密を知っていてもおかしくない。

 複雑な相関図を解き明かすとき、その行動は誰にメリットがあり、誰と誰の利害が対立しているか考えることは有益な道しるべになる。第9話ラストで窒息死させられた遠山は理事長室のデータを持ち出していた。監視カメラに野田(上地春奈)を殺した犯人が映っていたとすると、遠山を殺したのはデータを渡したくない人間である。第8話で、榎木田と玲子は、秘書の瀬尾(辻川慶治)が映像を編集することを黙認しており、奪われたデータを取り返そうとするはずだ。また、遠山の背後には山根と津田がおり、利害が一致していた。

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