『NICE FLIGHT!』“太陽”と“月”のような粋と真夢の関係 2人はジンクスを破ることができるか

 なんて素敵な“運命”なのだろう。真夢(中村アン)に、管制官を目指すきっかけを与えたのが、粋(玉森裕太)であると分かった『NICE FLIGHT!』(テレビ朝日系)第7話。17年前、羽田空港の展望デッキで母を待っていた真夢に、「お姉さん、管制官になってよ」と声をかけたのが、粋だったのだ。

 彼にとっては、何気ない一言だったかもしれない。それでも、その一言で夢を持ていたからこそ、今の真夢がいる。もしあの時、粋と出会っていなければ、彼女はどんな人生を歩んでいたのだろうか。

 人生において、大事なのは恋愛だけではない。仕事や家族はもちろん、“自分”を大事にする生き方があったっていい。真夢も、東京に出てきてからは、自分が主軸の人生を歩んできた。人付き合いが苦手で、他人との距離の詰め方が分からない。それでも、いいやと思ってきたのだろう。だって、ひとりの人生は、裏切られることもない。喧嘩をすることもなければ、心が乱されることだってないのだから。

 そんな真夢に変わるきっかけを与えてくれたのが、粋だった。ワンコのように人懐っこい彼は、誰も破れなかった真夢の殻を、いとも簡単に壊してみせた。「え? これって、殻だったの?」と言わんばかりの感じで。まさに、正反対な性格だからこそ、2人は惹かれ合ったのだと思う。

 しかし、時間が経つほどに、魅力だと思っていた“違う”部分が、寂しさに変わっていく。恋人となんでも分かち合いたい粋と、迷惑をかけたくないから引いてしまう真夢。祖父の勝成(小野武彦)が倒れた時も、真夢は黙っていた。粋のもとに届いた光希(筧美和子)からのメッセージを見てしまったのも原因のひとつかもしれないが、見ていなかったとしても、彼女は同じことをしていたと思う。移行訓練を頑張っている粋に、「つらいよ」と自分の気持ちをぶつけていたとは思えない。

 好きなのに、相手の考えを理解することができない苦しさ。おそらく、粋はこれまで、ストレートに気持ちを伝えてくる女の子と交際する機会が多かったのかもしれない。光希のように、訓練中でもお構いなしに、「今すぐ結婚するか、別れるか決めて!」と言えてしまうような。なんでも受け止めてくれそうな優しいオーラを纏っている粋は、ちょっぴりワガママな女の子に好かれやすい気がする。ワガママを言われすぎて引いてしまうことはあっても、真夢のように何を考えているか分からない相手との交際は、未知なのではないだろうか。

関連記事