『競争の番人』ついに描かれた坂口健太郎の過去 物語は小日向文世との因縁の戦いに突入
今回のエピソードの後半、楓(杏)はある建材会社からの垂れ込みで「小津建設」という会社が納品資材の代金を減額したという、一見すると“下請けいじめ”と取れる案件を調査する。しかしそこで見えてきたのは、“談合”によって小さな建設会社が苦しめられているという業界の現状である(劇中では毎年100社が倒産していると語られるが、「帝国データバンク」の業界動向調査によれば、昨年の建設業界の倒産件数は1066件で“過去最少”だった〕。ひとつの不正によって、その締め付けがどんどん下層へと転嫁されていく。それは第4話・第5話の「アレス電機編」で描かれた話とも通じている。
さて、本庄が裏で藤堂と繋がっていることを知り、大きなプロジェクトを前に新たな“談合”を行おうとしている東堂へと自ら近付いていく小勝負。国交省の人間だと名乗る人物から呼び出され襲われた小勝負を、身を挺して守る本庄。そして楓は、自分が警察から公取に左遷されるきっかけとなった事件の被害者がラクター建設の役員であったことを思い出す。大枠は見えているが、まだ完璧にはつながりきれていない全容。強大なものへメスを入れるクライマックスは、このタイプのドラマの最も望ましくて面白いパターンである。
■放送情報
『競争の番人』
フジテレビ系にて、毎週月曜21:00~21:54放送
出演:坂口健太郎、杏、小池栄子、大倉孝二、加藤清史郎、寺島しのぶ、前田亜季、竹財輝之助ほか
原作:新川帆立『競争の番人』(講談社)
脚本:丑尾健太郎、神田優、穴吹一朗、蓼内健太
演出:相沢秀幸、森脇智延
プロデュース:野田悠介
制作・著作:フジテレビ
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