劇場版『ハイキュー!! FINAL』で描かれるエピソードは? 漫画史に残る丁寧な人物描写

改めて考える、『ハイキュー!!』の魅力

 バレーボールを題材にしたスポーツ漫画として、『ハイキュー!!』は漫画史に残る作品だ。『ハイキュー!!』を読んでバレーボールを始めた人も多いだろう。

 それは、“小さな巨人”に憧れた日向が仲間と出会い、ひとつずつ壁を乗り越えていく物語だからだ。最初から強い主人公であれば、これほどまでに多くの人の心を掴むことはなかったのではないだろうか。

 そして、本作が日向だけを描いているわけではないことも大事だ。確かに物語の起点は日向だし、『ハイキュー!!』の主人公だ。しかし、バレーボールは1人でプレーするスポーツではない。ネットの「こっち側」にいる人は全員味方で、全員が揃っていないと勝つことはできない。だから、チームにいる全ての人を描く。チームメイトはもちろん、マネージャーのことも、コーチのことも、顧問のことも。

 また、対戦相手が丁寧に描かれていることも大事だ。『ハイキュー!!』の世界には悪者がおらず、それぞれが純粋にバレーボールが好きで、強くなりたくて、日々の練習に取り組んでいる。だからこそ、勝てば嬉しいし、負ければ悲しい。そんなシンプルな感情がきちんと描かれているから、多くの人を魅了するのだろう。

待ち遠しくて寂しい『ハイキュー!! FINAL』の公開

 『ハイキュー!! FINAL』の公開はまだもう少し先だ。来年の夏にはキックオフイベントも行われ、ハイキュー!!ファンとしてはもうしばらく、楽しい日々が続きそうだ。

 しかし、この映画が公開となれば、アニメ『ハイキュー!!』も終わってしまう。本音を言うと、アニメでひとつひとつ描かれていくのもよかったなあ、などと思う。

 が、映画公開が嬉しく、楽しみであることには間違いない。一体、どのようなプレーが映画館で観られるのか、楽しみに待ちたい。

■公開情報
『ハイキュー!! FINAL』
アニメーション制作:Production I.G
配給:東宝
製作:「ハイキュー!! FINAL」製作委員会
©「ハイキュー‼」製作委員会©古舘春一/集英社
公式サイト: https://haikyu.jp/
公式Twitter:@animehaikyu_com

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