『初恋の悪魔』今後の鍵を握る林遣都の重要な“過去” 安田顕の謎もついに明らかに
8月13日に放送された『初恋の悪魔』の第5話は、いつも以上に情報量が多い。これまでのエピソードに見られたような“自宅捜査会議”は一切行われることなく、鹿浜(林遣都)が暮らす豪邸に隠された秘密と馬淵(仲野太賀)の兄・朝陽(毎熊克哉)の殉職の謎、今後の物語のゆくえをうらなう重要な“過去”に触れられていく。そして、カラオケで一緒にYUIの「CHE.R.RY」を歌い上げることで4人の友情が完成し、ここからさらに怒涛の展開が始まることを想起させる。
森園(安田顕)と共に、家の隠し扉の奥に地下牢があることを見つけた鹿浜。そこに鹿浜を閉じ込めた森園は、5年前にこの町で起きた中学生殺害事件について話し始め、鹿浜の関与を疑う。しかし鹿浜は、この家を1年前に椿静枝という老女からもらったことを明かす。その頃、まったく連絡が取れなくなった鹿浜を気に掛けて家を訪ねた馬淵たち3人は、ハサミのコレクション部屋の奥の壁に隠されていた監視用モニターと手帳を発見。そこには、不慮の事故で娘と孫を失った老女の復讐の企みと、鹿浜との出会いによって改心したことが記されていた。
今回描かれる鹿浜の過去は、静枝との交流の回想ともうひとつ。人間嫌いで周囲から変人扱いされる現在の鹿浜を作り出した、小学生時代の記憶が夢として呼び起こされるのである。「自分らしくしていれば、いつかきっと未来の自分が褒めてくれる」。初めて自分を受け入れてくれた静枝からもらった言葉と、そして自分によってその人の人生の選択を変えることができたこと。その過去に、隠されていた真実を伴って触れることは鹿浜の内面に大きな変化を与えるきっかけとなるわけで、それが馬淵たちとの関係にも良い影響をもたらす。これはドラマのひとつの節目として重要な部分だ。
ところで、そんな鹿浜が自身の小学生時代と向き合う夢のシーン。ここで小学生時代の鹿浜が手に取る本の著者は“馬場鞠雄”。これは大林宣彦が自身の映画でも何度か用いていた、イタリアのジャッロ作家マリオ・バーヴァから引用したものだろうか。
一方で馬淵は摘木(松岡茉優)と共に、雪松(伊藤英明)に連れられて、朝陽の殉職したホテルの屋上を訪れる。事件の捜査で部屋に踏み込もうとして、物音がした非常階段へと一人で向かった朝陽。その直後に屋上で水に足を滑らせて落下したのだと、当時一緒にいた県警の刑事は見立てる。馬淵が朝陽のスマートフォンを雪松に渡そうとした途端、それを奪って逃げ出す摘木(ここで屋上に締め出される馬淵と雪松の姿は、中盤で地下牢に閉じ込められた鹿浜と森園の姿と重なるのである)。
そのまま馬淵の前から行方をくらました摘木を、事件の捜査で東京に来ていた鹿浜が偶然見つけるのだが、そこでは摘木に別の人格が現れている。一方で摘木に逃げられた馬淵と雪松は偶然森園と出会い、森園と雪松が知り合いであることが判明する。森園はかつて弁護士であり、5年前に中学生殺害事件の被告人の弁護を行っていたと。それは鹿浜を地下牢に閉じ込めた森園が語っていた事件。なるほど、朝陽の殉職の真相ともうひとつ、この5年前の事件の真相を追求することが、第2章のキーとなるということか。
■放送情報
『初恋の悪魔』
日本テレビ系にて、毎週土曜22:00~22:54放送
出演:林遣都、仲野太賀、松岡茉優、柄本佑、佐久間由衣、味方良介、安田顕、田中裕子、伊藤英明、毎熊克哉
脚本:坂元裕二
演出:水田伸生ほか
プロデューサー:次屋尚ほか
チーフプロデューサー:三上絵里子
制作協力:ザ・ワークス
製作著作:日本テレビ
(c)日本テレビ
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