『ビッグマウス』イ・ジョンソクが見せる圧巻の演技 キム・ジュホンらキャストにも注目

 ディズニープラスで配信中の『ビッグマウス』。配信後からTwitterにトレンド入りし、ネットでは「期待以上!」「面白くて一気に観てしまった」と人気だ。

 “天才詐欺師”ビッグマウスの濡れ衣を着せられ、刑務所に収監中のイ・ジョンソク演じる三流弁護士パク・チャンホ。第3話、第4話ではチャンホが家族を守るために、ビッグマウスのフリをし、孤軍奮闘するうちに、味方や手下ができ刑務所内で崇められていく過程が描かれた。

 フランツ・シューベルトの「魔王」で始まるオープニングは、クライムミステリーらしい作りだ。不気味で何者かに追い詰められていくチャンホの心境を現し、作品世界に誘い入り込ませる。「魔王」の歌詞では魔王が子どもを闇の世界に誘い連れて行ってしまうのだが、チャンホも魔王のような何者かにより仕掛けられた巧妙な罠に嵌められ、刑務所内で死を意識するほど追い詰められる。チャンホを罠にかけた人物は誰なのか、チャンホを陥れた理由は何か、本物のビッグマウスは誰なのかなど、複数の謎が怪しい人物たちとともに観る者を惹きつける。

 なかでもイ・ジョンソクの演技が圧巻で目が離せない。濡れ衣への戸惑い、愛する妻に見せる先の見えない恐れと涙、家族に危険が及ぶかもしれない不安、自分が死ぬことで家族を守ろうとする決意と恐怖、ビッグマウスになると決めた時の覚悟、悪への覚醒……。戸惑い、苦悩、恐怖、怒り、絶望、覚悟、覚醒、イ・ジョンソクはこれら全ての目の色を自由自在に変えて魅せる。眉、頬、目、口元、顔全体、全身、オーラをも巧みに操り演じ分ける。チャンホの心情を繊細にあらわすさまは天晴れだ。ダークサイドのスイッチを入れた瞬間、カリスマ性を放ち周囲に冷気を纏うかの冷酷な表情に変化するさまが身震いするほど美しい。

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