山﨑賢人と北村匠海に重なるもの 彼らの生み出す“主人公像”と俳優としての歩みとは?
とはいえマンガのキャラクターというのは、誰もが熱血的なわけではない。なかには冷静沈着なものだって存在する。このことを踏まえると、両者ともに“熱演”と対極にあるような演技に徹していた経験もあることに思い当たる。例えば北村が『思い、思われ、ふり、ふられ』で演じた山本理央などはまさにこれだ。二人は「熱血」も「冷静」も演じられる、ある種の中性的な俳優だといえるのではないだろうか。
早くから人気俳優の仲間入りを果たし、さまざまなジャンルの作品への出演をコンスタントに重ねてキャリアを築いてきた山﨑賢人と北村匠海。『キングダム』と『東京リベンジャーズ』がそれぞれの俳優人生にとって、大きなターニングポイントになったのは間違いないだろう。“マンガ的”ともいえるオーバーアクト(=熱演)ができるのは大きなポイントなのだ。さらに、それまでの作品で素朴な若者像も作り上げてきた二人は、同世代の人々の象徴的な存在でもあると思う。そのような存在がマンガのなかにしか存在し得ない非現実的なキャラクターを演じたらどうなるか。私たちは彼らに自らの“憧れの姿”を投影するだろう。ある意味において身近な存在が現実から飛躍していく姿が、我々の希望にもなるのである。山﨑と北村にみる“主人公像”はこれだ。
『幽☆遊☆白書』はキャスト発表の時点で不評らしい。しかし、まだ何も始まっていない。ただビジュアルが出ただけである。山﨑はマンガを原作としたNetflix配信ドラマ『今際の国のアリス』(2020年)で主演を務めたという経緯があり、これが世界中で人気に。今年の12月には「シーズン2」が配信スタートされる。『幽☆遊☆白書』も同じ枠である。これもまた両者の重なるポイントになるのではないだろうか。
■公開情報
『キングダム2 遥かなる大地へ』
全国公開中
出演:山﨑賢人、吉沢亮、橋本環奈、清野菜名、満島真之介、岡山天音、三浦貴大、濱津隆之、真壁刀義、山本千尋、豊川悦司、高嶋政宏、要潤、加藤雅也、高橋努、渋川清彦、平山祐介、玉木宏、小澤征悦、佐藤浩市、大沢たかお
監督:佐藤信介
脚本:黒岩勉、原泰久
音楽:やまだ豊
原作:『キングダム』原泰久(集英社『週刊ヤングジャンプ』連載)
(c)原泰久/集英社 (c)2022 映画「キングダム」製作委員会
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