『ちむどんどん』第15週で明かされたOP映像の意味 三浦大知と優子の眼差しが重なる

 三浦大知による主題歌「燦燦」もそんな本作に寄り添う。“家族の光”をテーマにした同曲に、三浦は自身の亡き祖母への思いをしたためた。歌詞の中にも〈陽の光 纏う朝/開く窓 願う姿/忘れない 机の前 あなたの場所〉と、三浦の目に入った祖母の姿を切り取ったであろうフレーズがある。

 タイトルバックで描かれる「沖縄の日常」。そこには優子にとっての賢三、三浦にとっての祖母、つまり大切な誰かがいた。たとえもう会えなくなったとしても、大切な人と過ごした日常は沖縄の風景に思い出となって溶け込んでいる。映像も主題歌も、そのことを教えてくれる。本編では幸せを追い求める暢子たちが描かれ、タイトルバックではそんな暢子たちを支える心象風景が描かれているのだ。

 〈大丈夫 ほら見ていて〉という印象的なフレーズは、亡くなった人から遺してきた人への「幸せに“なれる”から大丈夫」、遺された人から亡くした人への「幸せに“なる”から大丈夫」というメッセージを示したものではないだろうか。

 賢秀(竜星涼)のように同じような失敗を繰り返し、良子(川口春奈)のように仕事と家庭の両立に悩み、暢子のようにあらゆる困難に直面し、歌子(上白石萌歌)のように自分には夢中になれるものがないと嘆く。その過程で周りに迷惑をかけることも、誰かを傷つけてしまうこともあるけれど、賢三は渋い顔をしながらも彼らを愛おしく思うだろう。私たちも月曜から金曜まで、毎日いろんなことが起きる。だけど、賢三みたいに天国から誰かが見守ってくれているなら、幸せを諦めず日々を生きようと思わせてくれる約1分半だ。

参照

※ https://www.nhk.or.jp/chimudondon/topics/interview/06.html

■放送情報
連続テレビ小説『ちむどんどん』
総合:午前8:00〜8:15、(再放送)12:45〜13:00
BSプレミアム・BS4K:7:30〜7:45、(再放送)11:00 〜11:15
※土曜は1週間を振り返り
主演:黒島結菜
作:羽原大介
語り:ジョン・カビラ
沖縄ことば指導:藤木勇人
フードコーディネート:吉岡秀治、吉岡知子
制作統括:小林大児、藤並英樹
プロデューサー:松田恭典
展開プロデューサー:川口俊介
演出:木村隆文、松園武大、中野亮平ほか
写真提供=NHK

関連記事