『初恋の悪魔』ついに明かされた松岡茉優の秘密 謎が深まる林遣都と安田顕の関係性

 第1話では少年の転落死、第2話では団地で起きた殺人事件と、いずれも捜査一課が出動する事件を“自宅捜査会議”で解決していく様子が描かれてきた『初恋の悪魔』(日本テレビ系)。7月30日放送の第3話では、小鳥(柄本佑)が渚(佐久間由衣)に向ける密かな恋心から、鹿浜(林遣都)の摘木(松岡茉優)へのこじらせた恋心へと捜査の原動力がシフトする。そして描かれるのは、あるスーパーで起こる不可解な事件。結果的に“重大犯罪”につながるとはいえ、こうした一見軽微に捉えられがちな事件に仰々しくも真っ向から向き合うという点が、このドラマのテイストに合っているのではなかろうか。

 鹿浜に呼び出され、数日前の晩に隣人の森園(安田顕)がシャベルを持って家にやってきた出来事について聞かされる馬淵(仲野太賀)。一方で摘木は、万引き警戒中のスーパーでワインをカバンに入れて未会計のまま店を出ようとした男を捕まえるのだが、監視カメラには肝心の部分が死角となって映っておらず、さらにカバンの中には何も入っていなかった。そんな出来事が何度も続き、すっかり落ち込む摘木。摘木への恋煩いで人生5回目の微熱に見舞われた鹿浜は、馬淵と小鳥に半ば唆された末、摘木の笑顔を見るためにと捜査に乗り出すのである。

 「この世には知らなくていいことがある」。これは捜査会議のたびに、鹿浜が口にする言葉だ。今回のエピソードにおいては、万引きを隠れみのにした別の事件があると踏む。度重なる不可解な万引き事案で自信を喪失していた摘木を擁護し続けていたパート主任の絹子(松金よね子)が監視カメラの回らなくなるタイミングで、金庫から金を持ち出していたことがわかる。摘木の笑顔を取り戻すために行われた捜査が、かえって彼女にショックを与えてしまう。事件が解決したにもかかわらず流れるモヤモヤとした空気。これはおそらく、今後登場人物のバックグラウンドに隠された謎が明らかになればなるほど強まっていくものだろう。

 前回のエピソードに続いて、馬淵と摘木の会話がドラマ全体を動かす役割を担う。前回ではまだとぼけていた、馬淵の兄・朝陽(毎熊克哉)の事件の資料を調べようとしていた理由を馬淵に告白する摘木。3年前の夏におそらく会っていたこと、気が付いたら朝陽のスマホを持っていたこと。自分のなかに“肉じゃが”と“コロッケ”がいるという秘密を明かし、そのもう一人の人格の表出を、苦手なトマトを食べている描写によって示す。小洗(田中裕子)の診療所でしていた、銃で撃たれたのを内緒で治療してもらったという過去も、それらと結びつくものだと推測できる。

 さらには馬淵に寄り添われながら、元の人格を取り戻す摘木の様子を人混みのなかにいる署長の雪松(伊藤英明)が見ていた。やはりこのドラマのすべての発端となる朝陽の殉職に関しては“知らなくていいこと”がかなり多そうな予感がただよう。一方で鹿浜の家を訪ね、部屋に監視カメラが仕掛けられているとこっそりと教えてくる森園。馬淵や摘木の周囲が徐々に不穏になっていくなかで、不穏さから入った鹿浜と森園の関係がどう転んでいくのかは見ものである。

■放送情報
『初恋の悪魔』
日本テレビ系にて、毎週土曜22:00~22:54放送
出演:林遣都、仲野太賀、松岡茉優、柄本佑、佐久間由衣、味方良介、安田顕、田中裕子、伊藤英明、毎熊克哉
脚本:坂元裕二
演出:水田伸生ほか
プロデューサー:次屋尚ほか
チーフプロデューサー:三上絵里子
制作協力:ザ・ワークス
製作著作:日本テレビ
(c)日本テレビ
公式サイト:https://www.ntv.co.jp/hatsukoinoakuma/
公式Twitter:@hatsukoinoakuma
公式Instagram:@hatsukoinoakuma_ntv

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