中村倫也が語る『石子と羽男』の作品作り 挑戦したい役は「綿郎のような父親」

“ブン回してくれる”現場での演技

ーー新井順子さん、塚原あゆ子さんチームの映像作りに関して、他の現場と違うところや、面白いと感じる部分はありますか?

中村:実際に現場でディレクションされているときも思っていましたけど、塚原さんならではだなと思うことが2つあって。1つは、喋っている人じゃなく聞いている人を撮るという、アクションではなくてリアクションを撮るということ。あと「もう世の中の人はわかっただろう」という線引きが速いというか。例えば、一つの会話のワードでも普通のドラマだったらセリフを言い切った残りの間ぐらいまで撮るんですよね。でも塚原さんは、言い始めたらもう別のカットに変えるんですよ。それは塚原さんならではなんだなと思いましたし、だからテンポ感も生まれやすいんだろうなと思いました。それと、塚原さんにも話したんですけど、演劇を観るときの状態に近いと思う。ドラマはカメラで撮ってくれたものでしか観る方は観られないけれど、演劇だと自分の好きなところでカット割りをしながらお客さんが観られるので、大体の人は喋っている人の間に聞いている人の顔を見ると思うんですよね。その感覚だなと思いました。

ーーでは、いつもよりもリアクション面で意識してることも?

中村:ないです(笑)。どちらかというと、いつもは映像用に芝居も待っていたりしているけど、今回は、普通のテンポ感で演じているのを好き勝手に撮って繋いでくれるから、楽させてもらっていますね。例えば、ここで言い合っているとしたら、こっちがまだ喋っていても、普通は遮って言い出すじゃないですか。それが普通の撮影だと、テクニカル的に言い終わりを待ってから次の台詞を出して、それを編集でちょっと食っているような感覚にしてガチャッと合わせる。でも、そうするとリアルな空間では1拍持たなきゃいけないんですよね。普通のドラマだったら、カメラがこっちを向いていないから、ここでこの表現をしたいんだけど、撮る気がないなってことがあるわけですよ。だけど今作では、“ブン回してくれる”からカメラはここを拾ってくれるなという安心感もあって。普通だと、ここでは撮ってくれないから、こっちに挟まなきゃと考えて芝居をしますけど、それも勝手に拾ってくれるだろうなと思うので、やりやすく芝居をしています。

「老後の役者としての仕事が心配ですね」

ーー前回のインタビューで「今年は自分に経験がないことが多いから、頑張らなくてはいけない」とおっしゃっていました。実際、今年は経験がないことをたくさんやられてると思いますが、どうですか?

中村:『仮面ライダーBLACK SUN』も『石子と羽男』も、そのインタビュー時から撮っていたし、秋にはミュージカルも控えていて。作品によっては自分の持っているものの40%の要素を100%で提出することが求められる仕事もありますけど、今作に関して言えば100%まで出しても100%受け取ってもらえる感じがあって、好き勝手ブン回してる感じがやっていて楽しいです。ここまでは風邪も引かずやれているので、良かったです。

ーーコロナ禍で絵本を創られていたのが印象的でした。今密かに創作してることはありますか?

中村:ガンプラ作りたいなと思っているぐらいです。『機動戦士ガンダム 逆襲のシャア』に出てくる「リ・ガズィ・カスタム」。家にありますけど、全然手をつけられていない。

ーー羽根岡は型破りな天才に憧れていますが、中村倫也さんはどんな人に憧れていますか?

中村:それこそ仕事を始めた頃は、見てくれもカッコイイとか雰囲気があるとか、そういうものにすごく憧れていましたけど、ある歳を境にどうでもいいなと思い始めました。自分で勝負するしかないから。そしたら憧れというものはほとんどなくなりました。強いて言えば、やっぱり身長があと5センチ欲しかったなというぐらいです。中途半端なので、本当に。怪力に引っ張られたら伸びるかもしれないけれど。中肉中背でクセのない顔だと、老後の役者としての仕事が心配ですね。キャラクター感があった方がやっぱり使いやすいだろうし、でもしょうがないと思っています。

■放送情報
金曜ドラマ『石子と羽男ーそんなコトで訴えます?ー』
TBS系にて、毎週金曜22:00~22:54放送
出演:有村架純、中村倫也、赤楚衛二、おいでやす小田、さだまさし
脚本:西田征史
演出:塚原あゆ子、山本剛義
プロデュース:新井順子
編成:中西真央、松岡洋太
音楽:得田真裕
主題歌:「人間ごっこ」RADWIMPS(Muzinto Records / EMI)
製作:TBSスパークル、TBS
(c)TBS
公式サイト:https://www.tbs.co.jp/ishikotohaneo_tbs/
公式Twitter:@ishihane_tbs
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