『オールドルーキー』芳根京子が表現した支える側の葛藤 田中樹はランナー役で新たな一面
立ち上がろうとアスリートがもがいていた頃、アスリートを支える側の人間も苦悩していた。塔子はマネージャーへの再任を断る。誰よりもアスリートのためを考え、手を尽くしてきたからこそ、アスリートの敗北は支える側の傷にもなる。その上、当てつけのように敗北の責任を負わされた。いくらアスリートが自己中で気まぐれでも傷つかないはずがなく、もう一度タッグを組むのは勇気がいる。多くの人が関わって成立するプロスポーツで、選手だけでなく支える側の葛藤を丁寧に描くことで、運命共同体としてのアスリートとマネジメントの絆の堅さが伝わってきた。
アスリートとマネジメント、両方の立場を経験した新町は、やはり選手としての血がうずく様子。現役復帰に未練があることは何度か示唆されていたが、家族のためを思ってビクトリーで頑張ろうと決めている。しかし、ラストシーンで妻の果奈子(榮倉奈々)から、もう一度サッカー選手に戻っていいと言われた新町の表情は、全存在を賭けて自分自身と向き合うようなすさまじい形相だった。本作の綾野は俳優として持てるものを全てぶつけている感があり、第1話から名演を連発している。綾野の新たな代表作となるだろう『オールドルーキー』の行方を最後まで見届けたい。
■放送情報
日曜劇場『オールドルーキー』
TBS系にて、毎週日曜21:00~21:54放送
出演:綾野剛、芳根京子、中川大志、岡崎紗絵、増田貴久、生田絵梨花、稲垣来泉、泉谷星奈、高橋克実、榮倉奈々、反町隆史
脚本:福田靖
演出:石井康晴
プロデュース:関川友理、松本明子
編成:東仲恵吾、高橋秀光
音楽:木村秀彬
主題歌:King Gnu「雨燦々」(ソニー・ミュージックレーベルズ)
サッカー監修:大久保嘉人
製作:TBSスパークル、TBS
(c)TBS
公式サイト:https://www.tbs.co.jp/OLDROOKIE_tbs/
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