横浜流星、竜星涼、大西流星 いま世間を騒がす“星”の名を持つ若手スターたち

 私たちはどうしてこうも、星の光に惹かれるのだろう。日曜劇場『オールドルーキー』(TBS系)にサプライズ出演した横浜流星、朝ドラ『ちむどんどん』(NHK総合)で毎朝お茶の間を“わじわじ”させている竜星涼、『彼女、お借りします』(ABCテレビ・テレビ朝日系)で主演を務めるなにわ男子の大西流星。いま、テレビ界でも名前に「星」を持つ彼らが、スター然とした輝きで人々を魅力している。

横浜流星

 横浜流星といえば、現在公開中の映画『流浪の月』で新境地を開拓。過去に誘拐事件の被害女児として、世間から騒がれた更紗(広瀬すず)に歪んだ愛情をぶつける婚約者・亮を“狂演”したことが話題となった。

 とある過去から見捨てられ不安が強い亮は、次第に更紗を暴力で支配するようになる。思わず目を逸らしたくなる場面もあったが、同時に彼の闇を見なければという使命感にもかられた。それはひとえに、横浜がまざまざと亮の中にある劣等感や渇望など、むき出しの感情を見せつけてきたからだ。

 横浜は一歩間違えれば、誰かの脅威になりかねない人間の弱さを芝居に昇華するのが抜群に上手い。今回の『オールドルーキー』でも、ドイツで活躍するサッカー選手・矢崎十志也の傍若無人な振る舞いに隠された孤独や不安を覗かせた。

 観ているこちらも心配になるほど、演じる役の内に秘めたる負の感情にどこまでも染まる横浜。だが、彼の演じるキャラクターがそれを克服した時のとびきりの笑顔が見たくて、私たちはどんどん沼にハマっていくのかもしれない。

竜星涼

 朝ドラ史上最悪のトラブルメーカーとして世間を賑わせているのは、竜星が演じる『ちむどんどん』の賢秀。平気で妹のお金をギャンブルにつぎ込んだり、詐欺まがいの商売に手を出したりと、その悪行は枚挙にいとまがない。一言でいえば“どうしようもない奴”だが、そこに少しの愛嬌を携えられるのが竜星の力だ。

 これまでも竜星は『アンナチュラル』(TBS系)での怪しげな葬儀屋・木林南雲や、『メゾン・ド・ポリス』(TBS系)での御用聞き・瀬川草介など、一癖も二癖もある役を演じてきた。その佇まいはどれも異なるが、なぜか不安になるような謎を孕んでいるところが共通する。“表”の顔と“裏”の顔が竜星の演技力によって塩梅良く引き出され、最後まで翻弄されてしまう。

 賢秀はその点、単純といえば単純だが、時に彼の中にある“男たるもの”、“兄たるもの”への執着が見え隠れする。その少し憂いを帯びた笑顔には憎まれ役としての義務を背負いながらも、表から見えない賢秀の苦悩と向き合う竜星の愛情を感じるのだ。

 けっして善人ではないが、悪人とも言い難い。その絶妙な人間臭さを体現できる稀有な存在と言えるだろう。

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