綾野剛主演『オールドルーキー』はサッカーファンも楽しめる? 注目ポイントを解説

 綾野剛が日曜劇場初主演を務める『オールドルーキー』(TBS系)がスタートする。

 綾野演じる主人公・新町亮太郎は、サッカーだけに人生を捧げてきたプロ選手。37歳で突如現役引退を宣告されてどん底に追い込まれるも、スポーツマネジメントという新たな目標に向かって懸命に生きる姿を描く。サッカー業界で裏方として働いた経験を持つ筆者が、ややマニアックな視点で100秒予告動画をチェック。ドラマファン、サッカーファンともに楽しめるポイントを紹介する。

サッカーシーンを元日本代表の大久保嘉人が監修

 本作は、日本代表としてFIFAワールドカップに2大会連続で出場した大久保嘉人氏がサッカー監修を務めていることが話題となっている。サッカー経験が全くない綾野は、今年2月から大久保とマンツーマンで練習を重ねてきたという。

 正直を言えば、身体能力に定評がある綾野であっても、プロのプレーには到底見えないだろうとタカを括っていた。というのも、ボールを足で扱うサッカーの難易度の高さは、手で行うスポーツの比ではないからだ。加えて、このドラマは引退後がメインであり、サッカーシーンのクオリティに多少の難があっても成立するというエクスキューズもある。

 ところが、第1話の予告動画を見て、驚いた。綾野は、始めて数カ月の初心者とは思えない鮮やかなボレーシュートを披露している。 “アスリート・綾野剛”の凄まじさを再確認し、一切の妥協を許さないその姿勢に期待は一気に高まった。

 綾野が演じる新町は、底抜けに明るく、サッカーに人生をかけてきたプロサッカー選手。日本代表まで上り詰めて、決定的な場面でゴールも決めたが、その後は怪我の影響で低迷。まさに“記録より記憶に残る男”。

 現役時代の大久保もまた、史上初のJ1リーグ3年連続得点王、J1リーグ最多ゴール(191得点)と輝かしい記録を残しただけでなく、もらったイエローカード数も歴代1位。熱すぎるプレーで記憶に残る男だった。昨年39歳で引退し、まさに第2の人生へと踏み出したばかり。新町と並走するように、大久保も“オールドルーキー”として現在進行形で自身の葛藤や新たな可能性と向き合っている。

 そういう意味で大久保は、競技シーンにとどまらず、新町の役作りをする上でも綾野の最良のアドバイザーと言える。一方の大久保自身も、37歳の新人として格闘する新町、そして40歳でサッカーという新たなジャンルに愚直に挑戦する綾野から多くの刺激を受けたことだろう。互いに影響を与えながら、綾野と大久保の2人がどのような新町を作り上げたのか、期待せずにはいられない。

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