『マイファミリー』は家族の可能性に希望を託した 富澤たけし演じる吉乃が引き起こした悲劇

 家族であることはなんと悲しく、尊いことだろう。『マイファミリー』(TBS系)最終話で、すべての謎が解けた後に残ったのは、あるべき場所に帰ってきた安堵と失ってしまったものへの悔恨だった。

 未知留(多部未華子)が誘拐される。実咲(凛美)のタブレットを持ち出したところを何者かに襲われたのだ。犯人は逃走中の東堂(濱田岳)との人質交換を要求する。タイムリミットは翌朝10時で、それまでに東堂を探し出さなくてはならない。温人(二宮和也)は葛城(玉木宏)に犯人確保を託して、三輪(賀来賢人)と東堂の捜索に乗り出す。

 温人が連絡手段に選んだのはゲームアプリの「リビットウォーカー」で、東堂のアカウントに学生時代の合言葉である「全員集合、ノックは5回」を送信。メッセージを見て現れた東堂を引き渡し場所に連れて行き、その足で未知留の監禁場所へ向かった温人たち。そこには「探さないで下さい」の書き置きがあった。

 「私と同じでしたか」と犯人は自動音声(一龍斎貞弥)を通じて反応。犯人は自らが東堂の妻の亜希(珠城りょう)であると明かし、5年前の事件の真相を語る。当時、東堂は不倫をしており、そのことに気づいた心春(野澤しおり)が実咲(長谷川晏)と狂言誘拐を計画。壊れかけた両親の仲を修復する目的だった。遠足の場所を聞くのも心春のアイデアだったが東堂は答えられず、そのまま心春は亜希と姿を消す。友果(大島美優)の誘拐後、模倣犯が東堂であると知った亜希は東堂に真相を打ち明けるが、東堂は親子3人で一緒に暮らすと言って聞かず、怖くなった亜希は東堂との連絡を絶った。東堂の不倫相手が未知留であり、「私の家族は未知留さんに壊されました」と語る亜希は選択を未知留にゆだねた。その結果、未知留は姿を消し、一連の事件は東堂と未知留の犯行として決着する。

 というのは作り話で、真犯人は別にいたわけだが、犯人を追い詰める温人と警察の連係プレーが鮮やかだった。すでに各所で考察されており、本編でも葛城が友果に「犯人は警察の人間」と知らせていたことからも、吉乃捜査一課長(富澤たけし)がホンボシであることは予想の範疇ではあった。スマホの画面を重ねるトリックで犯人を欺いて吉乃の居場所を突き止めた温人と、温人たちをダミーにして別働体で吉乃を追尾した葛城と日下部(迫田孝也)の周到さが上回り、吉乃を確保した手並みにはパズルのピースがそろった瞬間のカタルシスに通じるものがあった。

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