『ちむどんどん』房子の若い頃のドラマをもっと観たい 桜井ユキの瞳にみなぎる“意志”

 桜井の魅力のひとつは、意志が強そうな大きな瞳だ。『だから私は推しました』では、地下アイドルにハマっていく女オタ・愛を熱演したが、睨むように推しを見つめる瞳は、“推しのためならどんなことでもする”という思いがこもっていて、瞳というより鋭い眼となっていた。現在出演中の『悪女(わる)〜働くのがカッコ悪いなんて誰が言った?〜』(日本テレビ系)で演じているマミコは「すみません」が口癖で、その瞳には光がなく、マミコはどこか”闇堕ち”したような気配があった(その闇を抱えたような演技が上手いのも桜井の素晴らしいところである)。しかし、周りに感化され、次第に仕事への情熱を取り戻していく中で、その瞳は爛々とした輝きを取り戻していったのである。

 若き日の房子の瞳には、戦後の混乱期の中でも、“絶対に生き抜いてやる”という意志がみなぎっているように思えた。それが今や、暢子を見守る温かい瞳に変わっているのだ。そこに苦労に苦労を重ね、乗り越えてきた房子の姿が見て取れる。できるなら、房子の若い頃のドラマを主演・桜井ユキで、もっと観てみたいと思うのであった。

■放送情報
連続テレビ小説『ちむどんどん』
総合:午前8:00〜8:15、(再放送)12:45〜13:00
BSプレミアム・BS4K:7:30〜7:45、(再放送)11:00 〜11:15
※土曜は1週間を振り返り
主演:黒島結菜
作:羽原大介
語り:ジョン・カビラ
沖縄ことば指導:藤木勇人
フードコーディネート:吉岡秀治、吉岡知子
制作統括:小林大児、藤並英樹
プロデューサー:松田恭典
展開プロデューサー:川口俊介
演出:木村隆文、松園武大、中野亮平ほか
写真提供=NHK

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