浅香航大、『花嫁未満エスケープ』で待望の“本命”に 『マッサン』からの軌跡を振り返る
交際7年、同棲5年目を迎えマンネリ気味の日々を過ごしている主人公・ゆう(岡崎紗絵)が結婚になかなか踏み切らない恋人・尚紀(中川大輔)と、高校時代の元カレ・深見の間で揺れ動く“トライアングル・ラブストーリー”、『花嫁未満エスケープ』(テレビ東京系)。同作で高校時代の元カレ・深見一というキャラクターを通して、視聴者の心を掴んでいる浅香航大への注目が集まっている。
実際、4月期ドラマではヒロインの先輩役を演じる『村井の恋』(TBS系)、中村ゆりとのW主演ドラマ『今夜はコの字で Season2』(BSテレ東)と3作ものドラマに出演している引く手数多っぷり。本稿では彼のキャリアをなぞりながら、その魅力を紹介したい。
これまでの浅香のキャリアを振り返ると、彼が演じるキャラクター性の幅広さに改めて驚きを感じる。
まず紹介したいのは、彼が役者としてステップアップすることになった作品の一つ、2014年放送のNHK連続テレビ小説『マッサン』だ。同作で浅香が演じた鴨居英一郎は鴨居商店の社長・鴨居欣次郎(堤真一)の息子役。仕事に没頭し、英一郎の進路を決めてしまった父を嫌っており、周囲に対しても冷淡な態度で振る舞うのだが、主人公・亀山政春(玉山鉄二)らとの出会いを通して、心を開いて行き、ウィスキー職人になるという夢に向かっていくという役どころを好演した。残念ながら物語の中では31歳という若さで早死にしてしまう。しかし、最初は「鴨居」と呼ばれることを嫌っていた英一郎が「鴨居、英一郎です」と力を込めて名前を言ったシーンや、愛を込めた演説シーンなど、未だファンに語り継がれているシーンは多い。
その後、『あなたの番です』(日本テレビ系)で事件を検証する刑事・神谷将人、『君と世界が終わる日に』(日本テレビ系)の桑田陸斗では、正義感の強い絵に描いたような好青年役を好演。浅香の端正な顔立ちと堂々たる佇まいが相まって、少々危ういと感じてしまうほどに正義を全うする姿はヒーローのようにかっこいい。「ドラマに出てくる、このキャラクターに守られたいランキング」があるとしたら、間違いなくランクインするようなかっこよさだ。
ここまで正義感溢れるキャラクターを紹介してきたが、浅香といえば、コミカルな演技もお手のもの。その代表例をあげるのなら『30歳まで童貞だと魔法使いになれるらしい』(テレビ東京系/以下『チェリまほ』)で演じた柘植将人と答える人も多いはず。柘植は主人公・安達(赤楚衛二)の大学時代の友達で、安達と同じく触れるとその人の心の声がわかる魔法にかけられたキャラクター。堅物な作家である柘植が湊(ゆうたろう)に翻弄される姿はかわいらしく、安達と心で会話するシーンは視聴者の心を和ませてくれる存在だった。