坂本昌行と田中みな実が高めた『吉祥寺ルーザーズ』の緊張感 大きく揺れ動いた住人の心

 増田貴久(NEWS)が主演を務め、東京・吉祥寺の謎めいたシェアハウスに暮らす、人生の負け組6人のドタバタしつつも温かな日々を描く『吉祥寺ルーザーズ』(テレビ東京系)。5月16日に放送された第6話では、20th Centuryの坂本昌行が演じる町田がシェアハウスを訪問。彼の登場をきっかけに、ふたりの住人の心が大きく揺れ動くこととなった。

 シェアハウスの住人のひとり、翠(濱田マリ)は公務員という手堅い職業ながら、ギャンブルが大好き。ある日、ひょんなことから、シェアハウス全員にギャンブルによって相当な借金を抱えていることがバレてしまう。地味で真面目で、生活に面白みを感じられていなかった翠は、華やかでスリルがあるギャンブルに次第にのめり込んでしまったのだという。

 これを聞いた桜(田中みな実)が翠に勧めたのはマッチングアプリ。最初は恋愛をめんどくさがっていた翠だが、これが効果テキメンで、翠は色鮮やかな服を着て、デートに出かけるようになり、ギャンブル癖も少しはおさまったようだ。さらに出会ったいい男について、舞(田島芽瑠)に話すこともあるようで、舞も桜もそんな翠を微笑ましく見守り、恋愛をきっかけに“女の友情”が芽生え始めていた。

 その翠がまだ付き合うことにはなっていないものの、関係性が発展することを望んでシェアハウスに連れてきた男が町田(坂本昌行)だ。しかし、あろうことか、町田は桜の離婚調停中の夫だったのだ。

 「ふたりにしてもらえますか」と言い、対面した町田と桜だが、言葉数は少ない。坂本は、翠を虜にしたであろう、ちょっと哀愁さえ漂う大人の色気はそのままに、妻に意外な場所で会ってしまった動揺を、落ち着かない態度や、やや早口な様子で見事に演じてみせた。この坂本の様子が、真っ直ぐに彼を見つめ、はっきりゆっくり話す田中の演技を際立たせ、桜の冷静さを強調。この場面の緊張感をさらに高めていたように思う。

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