『ちむどんどん』黒島結菜がついに上京 東京編では宮沢氷魚、前田公輝らとの再会に期待

 『ちむどんどん』(NHK総合)第25話では、暢子(黒島結菜)が「料理人になる」という夢を抱き、ついに沖縄から東京へと向かった。その日付は1972年5月15日、沖縄本土復帰の当日。『ちむどんどん』は「本土復帰から50年の節目に沖縄出身のヒロインを描くという企画」でもあり、今週末にその記念すべき節目を迎えるということからも、このタイミングで暢子の旅立ちを持ってきたのは意識的なことであろう。

 タイトルバックなし、主題歌の「燦々」をフルでラストに流す朝ドラにおける伝家の宝刀で、15分ほぼ丸々を暢子の出発までの日々にあてた特別構成。中でもクライマックスとなるのは、先週の予告時点で『あさイチ』(NHK総合)の“朝ドラ受け”でも話題に挙がっていた、暢子がバスの窓から身を乗り出し「行ってきまーす!」と手を振るシーンだろう。

 やはり思い出すのは、暢子が子ども時代に東京で暮らす叔母の元へと旅立とうとした第10話だ。比嘉家は別れを通じて家族の大切さを実感し、沖縄に残ってみんなで幸せになるという決断を下した。あれから8年近くが経過し、暢子たちに去来するのは幸せだった日々。どん底の家計から賢秀(竜星涼)のプロボクサーとしての活躍により一発逆転という、波乱万丈の人生を送ってきた比嘉家だが、いつも大事にしてきたのは家族みんなでの食事。賢秀は抜きにしても……家族みんなで一緒にいることが比嘉家にとっては幸せだった。

 出発の直前、急に自信をなくし寂しさに襲われる暢子に、優子(仲間由紀恵)は「帰りたくなったらいつでも帰ってきていいよ」と声をかける。そして、「18年間ありがとうね」と感謝を告げるのだ。それは生まれてきてくれた時から今まで、そして暢子の独り立ちを意味している。抱き合う暢子と優子に、良子(川口春奈)、歌子(上白石萌歌)も覆い被さる、比嘉家4人でのハグだ。

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