『魂のまなざし』シェルフベックの半生が垣間見える予告編 公開日は7月15日に決定

 フィンランドの画家ヘレン・シャルフベックの生誕160年を記念した映画『魂のまなざし』の公開日が7月15日に決定し、あわせて予告編が公開された。

 モダニズムを代表する画家のひとりとして、近年世界的に注目を浴びるシャルフベック。本作は、彼女の画業と人生を決定づけた1915年から1923年の時代を描いている。

 1915年、シャルフベックは高齢の母親とともに田舎で暮らす、いわば忘れられた画家だった。それでもシャルフベックは湧き出してくる情熱のためだけに絵を描き続けていた。すべてが変わったのは、ある画商が訪ねてきて彼女が描き溜めていた159点のすばらしい作品を発見、大きな個展開催に向けて動き出したからだ。しかし、シャルフベックの人生で最も重要な転機は、画商が紹介した15歳年下の青年エイナル・ロイターとの出会いによってもたらされる。

 公開された予告編では、フィンランドの国民的画家ヘレン・シェルフベックの不器用でいながら真実を求め、情熱に従い生きた半生が切り取られている。「なぜ戦争や貧困を描くのか。女流作家にふさわしくない」と問われたシェルフベックは、「画家が描くときは、作品の説明など考えない。着想は内側と外側から同時にわき起こる。芸術家は悲しいものよ。幸せでも」と、意味深な微笑みを見せる。

画家ヘレン・シャルフベック生誕160年記念『魂のまなざし』予告編

 祖国独立と歩調を合わせるように、女流作家ではなく1人の画家そして自立した人間として苦難の時代を主体的に生き抜いていくシェルフベックだったが、世に名前が知られていく中でも、兄が一番優遇され母親に認められないことに苦悩していく。そんな中、19歳年下の青年エイナル・ロイターと出会ったことによりシェルフベックの生活が一変する。特別な感情が芽生えていく自分を受け入れられないシェルフベックだったが、彼が旅立ったことにより、寂しいという気持ちを受け入れ全てを認めると決意。しかし、やっと届いたロイターからの手紙には衝撃的な事実が書いてあり、シェルフベックがあまりの悲しさに絶望し倒れてしまう様子が映されている。

■公開情報
『魂のまなざし』
7月15日(金)より、Bunkamura ル・シネマほかにて公開
監督:アンティ・ヨキネン
出演:ラウラ・ビルン、ヨハンネス・ホロパイネン、クリスタ・コソネン、エーロ・アホ、ピルッコ・サイシオ、ヤルッコ・ラフティ
配給:オンリー・ハーツ
2020年/フィンランド・エストニア/122分/字幕:林かんな/原題:Helene
(c)Finland Cinematic

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