『ちむどんどん』黒島結菜の泣き笑いの表情は見事 一方、暢子は借金問題とどう向き合う?

『ちむどんどん』暢子は借金とどう向き合う?

 『ちむどんどん』(NHK総合)第20話では、暢子(黒島結菜)が料理大会の会場で「うちはレストランで働きたい。東京に行って料理人になりたい。コックさんになりたい」と宣言する。家族だけに作っていた料理の腕を、知らない人に振る舞い、「おいしい」と食べてもらうことで自分も笑顔になる。そんな“デージ嬉しい生きがい”を、暢子はやっと見つけることができたのだった。

 次週予告を抜きにすると、第20話は暢子の泣き笑いの表情、「頑張れよ!」という観衆の声と拍手、安堵した優子(仲間由紀恵)の笑顔で幕を閉じる。やりたいことを見つけらずにもやもやーしていた先週金曜日の第15話からのアンサー回とも捉えられるだろう。

 ただ、この暢子の夢を素直に応援できる人たちばかりだろうか。長年比嘉家を心配し、就職先に困っている暢子のために、内間食品へと働きかけてくれていた早苗(高田夏帆)の父・善一(山路和弘)はまずいい気はしないはずだ。面目が丸潰れである。そして、最大の焦点となるのは、比嘉家の借金だ。ほぼ内定と言ってもいい内間食品を蹴ってまでして(眞境名商事に続き2度目)、上京しようとする暢子。兄妹たちの心中は次週になってみないと分からないが、当然黙っていないのが大叔父にあたる賢吉(石丸謙二郎)だ。

 暢子が高校生となった第3週以降、ぱったり登場しなくなっていた賢吉だったが、第19話にて優子の口から生存を確認。賢秀(竜星涼)が持ってきた「1ドル720円で交換してもらえる」という投資の話を優子も信じ、「賢吉→優子→賢秀」の流れで比嘉家の960ドルが「預かり証」という紙切れに変わってしまっている。第1話で賢吉は賢三(大森南朋)に「そのうち誰かに騙されるよ」とお人好しの優子を不安視していたが、まさかその言葉が間接的に自分にも降りかかってくるとは(貸してしまった自業自得なところもある)。7年の月日が経っているため変動しているかもしれないが、第6話時点で比嘉家の借金は銀行に400ドル、賢吉への100ドルと合わせて500ドル。詐欺師の一件と合計すると、約1500ドル。本土復帰時のレート(1ドル=300円)に換算すると、約45万円という比嘉家にとっては頭を抱える大金だ。

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