『金田一少年の事件簿』道枝駿佑が“決定版”の一に 原作と堂本剛版を2022年の物語に昇華

 そして原作&堂本剛版にあった「30年前に不動高校ができる前にあった製薬会社で起きた人体実験の〜」というバックグラウンドを、25年前の新校舎建設時に起きた建設会社による事故の隠蔽に置き換えていることも同様だ。たしかに現代から見れば、原作や堂本剛版が誕生した90年代の出来事になるだけに元々の設定では違和感が強すぎる。そこをうまく和らげると同時に、旧校舎がいまも残されている理由を単にセリフで説明するだけでなく複雑で特徴的な内部の設計をきちんと見せることで説得力を与えていく。それだけ雰囲気からディテールまで非常に巧く作り込まれているだけに、肝心の鏡のトリックで見えているはずの“虚像”が反転していなかったことだけはどうしても気になってしまうのだが。

 第2話・第3話は初ドラマ化となる『金田一少年の事件簿R』のエピソード「聖恋島殺人事件」。今後も既ドラマ化エピソードを扱う回もあるだろうが、原作や過去エピソードと比較してもまったく遜色のないものになる期待は充分持てる。それはやはり、近年のテレビドラマでは避けられそうな描写であっても“見せるべきものはしっかり見せる”という意気込みが今回のエピソードで伝わったからに他ならない。そういった点で、“決定版”という触れ込みは本物であろう。

※岩崎大昇の「崎」は「たつさき」が正式表記。

■放送情報
『金田一少年の事件簿』
日本テレビ系にて、毎週日曜22:30〜放送
出演:道枝駿佑(なにわ男子)、上白石萌歌、沢村一樹、岩崎大昇(美 少年/ジャニーズJr.)ほか
原作:天樹征丸、金成陽三郎
漫画:さとうふみや(講談社)
脚本:川邊優子、大石哲也
監督:木村ひさし、丸谷俊平
主題歌:なにわ男子「The Answer」(ジェイ・ストーム)
音楽:兼松衆、斎木達彦、見岳章
チーフプロデューサー:三上絵里子
プロデューサー:櫨山裕子、岩崎広樹、秋元孝之、大護彰子
制作協力:オフィスクレッシェンド
製作著作:日本テレビ
(c)日本テレビ
公式サイト:https://www.ntv.co.jp/kindaichi2022/
公式Twitter:@kindaichi_5
公式Instagram:@kindaichi_5

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